友情と愛情の狭間にある切な過ぎる思い──ドラマ『時をかける少女』第4話レビュー

 夜のプール。

 その神秘性と背徳感。

 多くのドラマや映画で使われたシチュエーションだが、一番印象的なのは、岩井俊二監督による『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(85年)であろう。

 この映画、夜のプールではしゃぐなずな(奥菜恵)が、少女と女性との間を行き来するような絶妙な表情を見せる。それと同じように、本作では、未羽の姿が少女と大人の間で揺れ動く。

 そして、最後に気づいた吾朗のやりたいこと──「一生今日のままでいたい。明日なんて来なくていい」何度か、思ったことがあるような気がする。そんな幸せで、はかない時間。

 それでもいつしか夜は明けていく。薄明かりの海辺で吾朗は気持ちを吐露する。

 ずっと未羽が好きだった! 目の前で翔平に取られて悔しかった! 羨ましかった!

「翔平、絶対未羽を幸せにしろ」

 その思いを聞いて、翔平はこの時代に残る決意をする。

 それにしても、吾朗はどれだけ優しいんだろう。ずっと思い続けてきた女性、彼女が幸せになるのなら、他の男に取られてもかまわない。2人とも今までどおりの付き合いを続けていくつもりだ。

 正直、自分が同じ立場だったら、吾朗のような関係を続けていくことはできない。悔しさと、羨ましさを抱えたまま、徐々に2人とは疎遠になっていくと思う。

 未羽と翔平を祝福した時の、吾朗の未羽に対する感情は何なのだろう。今までと変わらぬ愛情だろうか、それを乗り越えた上での友情だろうか。

 わからない。ただ、友情と愛情、どちらが上というものでもない。どちらが尊いということでもない。お互いがお互いを大切に感じ、同じ思いで結ばれているなら、それが一番の幸せなのだ。

 最終回を前にして、衝撃の事実が明らかになる。

 未来から来た人間は、時空の自浄作用によって、現代で暮らしていると早死にするというのである。

 命を取るのか、好きな人と一緒にいることを選ぶのか。いよいよ次は最終回、ひとつの「幸せ」の形があきらかになることだろう。
(文=プレヤード)

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