日本でも、配信開始から爆発的なヒットを記録しているゲームアプリ『ポケモンGO』。これまでにない特色としては、現実の風景の中にポケモンが登場するというAR(拡張現実)技術をわかりやすい形で普及させたことも挙げられるが、さらに事態は進んでいるようだ。ARのポケモンが3Dホログラムになってバトルを繰り広げるゲームシステムの登場も、もうすぐそこまで来ている。
■3Dホログラムのポケモンバトル
先頃、YouTubeに“3DAR”のポケモンバトル動画を投稿したのは米・ペンシルベニア州在住のエンジニアであるジェネラル・ヒード氏だ。あくまでもまだ試作段階だが、現実の住宅街の緑地の一角で3Dホログラムのヒトカゲとカメックスが向かい合って一触即発! ヒトカゲが攻撃を繰り出したり、向かってくるカメックスをかわして逃れたりと、擬似的な戦闘を繰り広げているのだ。音声でコマンドしている点も見逃せない。
これは、3DゲームエンジンのUnityを使って制作され、マイクロソフトのウェアラブルARデバイスであるホロレンズへの適用を念頭にして開発されたということだ。プレイヤーの命令で、ヒトカゲがキックを繰り出す攻撃シーンはなかなか愛らしいものがあるが、今後はもちろん技の数も増え、炎を使った攻撃のビジュアル表現なども加わってくるのだろう。屋内でのテストプレイ動画も収められており、今のところ音声コマンドはインドアのほうが精度が高いということだ。
ジェネラル・ヒード氏は少し前から『遊戯王』カードゲームのホロレンズ版を手がけていて、現在ベータ版『Yugioh-For-HoloLens』が公開されている。ホロレンズの一般販売へ向けて現在も開発が続けられているのだが、昨今の世界的な『ポケモンGO』フィーバーを目の当たりにして、急遽この“3DVR”のポケモンバトル映像を即興に近いかたちで作ったということだ。
そして、このホロレンズ版の『ポケットモンスター』もファンメイド作品として引き続き取り組んでいくということである。ちなみにこれらホロレンズ版の『遊戯王』も『ポケットモンスター』も、ボランティアで協力してくれるプログラマーは大歓迎ということで、いずれかのファンなら開発に加わることもできる。
■UnityとVuforiaで誰でも3DARゲーム作りが可能に
『ポケモンGO』ブームに便乗(!?)した恰好のヒード氏のポケモン動画だが、一足先にポケモンの3Dホログラム映像を制作してアップしているのが、YouTubeチャンネル名「KennyWdev」氏である。
ゲームエンジンのUnityと、ARアプリ開発用ライブラリのVuforiaを使って作り上げたという3Dホログラムのポケモンが2体、見事に空間に浮かび上がっている。台座の部分を動かすとポケモン本体も同じく向きを変えているのも興味深い。そしてKennyWdev氏も『ポケモンGO』人気に触発されたのか、ホロレンズ(開発者用)を使ってアウトドアでポケモンの3Dホログラムを浮かびあがらせたテスト動画を公開している。
緑溢れる川辺の景色の中、リザードンとレックウザが対峙して、ガンを飛ばしあいながら(!?)、今にもバトルをはじめようかという緊迫のシーンが繰り広げられている。こちらもまたさらに開発が進んでいくことが期待されるが、いずれにせよ『ポケモン』というゲームそのものの“進化”もまだまだ続くようだ。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・Nerdist
http://nerdist.com/real-life-pokemon-battles-look-legit-on-the-hololens/
・grape
http://grapee.jp/en/57123
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