西澤千央のベイスターズ偏愛コラム

【筒香のお尻】第5回「筒香の前では、誰もがみんなタラソワになる」~私のカワイイ小鳩ちゃん~

 この劇的すぎるサヨナラホームランを見て、私は思い出していたのです。2年前の2014年、ソチで行われた冬季五輪。フィギュアスケート浅田真央ちゃんのフリーの演技を。

 前日のSPで15位と出遅れて迎えたフリー。正直もはやメダルを狙うのは不可能という順位からの、あの伝説に残る8トリプル(3回転以上のジャンプを8つ跳ぶこと)。女子ではまだ誰も成功させていないジャンプ構成を、あの状況下でやり遂げた真央ちゃん。そして解説者として席に座りながら解説することを放棄したタラソワ前コーチ。ただ繰り返す「私のかわいい真央」「私の小鳩(ロシア語で「愛しい女の子」みたいな意味らしい)」「なんていい子なの」「真央、ありがとう」……。

 史上初の3試合連続2本塁打という快挙を前に、私も言いたかった。「私のかわいい筒香」「私の小鳩ちゃん」「なんていい子なの」「筒香、ありがとう」。そうです、筒香という子は、いつだって見るものをタラソワコーチにしてしまうのです。冷静に解説なんかしている場合じゃない。筒香の前では、老いも若きも男も女もブラジル人も宇宙人もネコもイヌも、みんなタチアナ・タラソワなのですよ。あのすごい毛皮着て眼光鋭すぎるタラソワがリンクから戻ってきた真央ちゃんを折れるほどハグするあの感じ。筒香がどんなにすごい選手になろうとも、筒香は私のカワイイ子で、私の小鳩で、そしてありがとう!!

 職を失うリスクを犯しながら、それでも弁当を横流ししたくなる、そんな筒香が横浜ベイスターズに来てくれた奇跡に感謝するとともに、筒香を生み育んだ和歌山の大地を讃えたい。もう日本の首都を和歌山にしよう。国会を和歌山城に移転しましょう。一緒に行った息子にどんなに気持ち悪がられようと、お母さんは三塁側から双眼鏡で筒香のお尻を眺めてこうつぶやくでしょう。私のカワイイ小鳩ちゃん。
(文=西澤千央)

【筒香のお尻】第5回「筒香の前では、誰もがみんなタラソワになる」~私のカワイイ小鳩ちゃん~のページです。おたぽるは、スポーツその他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!