「物足りない」『ONE PIECE』最新映画が好スタートも先行き不安!? 特典はオークションで高値で取引され……【週末映画興行成績】

• ツイート
• 

『ONE PIECE FILM GOLD』公式サイトより。

　7月23日～7月24日分の週末映画興行成績（興行通信社）が発表されたので、今週もオタク目線でお届け。

　今週1位を獲得したのは初登場の『ONE PIECE FILM GOLD』。全国739スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員82万830人、興収11億5,577万1,000円という驚異的な記録を打ち立てた。また公開初日に関しては動員47万8,528人、興収6億7,517万6,000円で今年No.1の滑り出しとなっている。

『ONE PIECE』（フジテレビ系）映画といえば、原作者の尾田栄一郎が深く関わるようになってから興収が激増。10億円前後が興収の平均だった『ONE PIECE』映画が、尾田が製作総指揮をとった『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』が48億円、『ONE PIECE FILM Z』が68.7億円というとんでもない飛躍をみせた。これには、物語を自在に作れる原作者が指揮することで単純に話が面白くなったり、原作と綿密にかかわるような話が展開されたことで興味を持つ人が増えたとの意見もあるが、特典商法が一番の要因では、という声も少なからず上がっている。

『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の入場者特典として、尾田が描き下ろしたマンガ『ONE PIECE』の“第零巻”が付き、『ONE PIECE FILM Z』には“第千巻”がついた。そして今作は“第七七七巻”とトランプという大盤振る舞い。これにはファンから「頑張りすぎじゃない？」「豪華すぎでしょ！」「特典のトランプがかっこよすぎる！」と歓喜の声が上がっている。そしてこの特典、オークションサイトを覗くとだいたい1,000円前後で取引されているようす。

　もちろん映画の内容に関してもおおむね満足といった声が多く、「秀逸なエンターテイメント」「お祭り映画として頭空っぽにして見れる」といった感想がよせられた。また、最近の『ONE PIECE』映画ではもはやお約束となっている芸能人の声優大量起用（今作では竹中直人、古田新太、北大路欣也、満島ひかり、菜々緒、ケンドーコバヤシ、濱田岳、西野七瀬、コロッケ、三村マサカズなどが出演）については、「しかし、北大路欣也はいい声すぎるだろw」「北大路欣弥と竹中直人、濱田学は上手かったなw」「芸能人ゲスト声優の方々も雰囲気をぶち壊さず、みんな上手でした」とこちらも高評価。ただ、否定的な評価としては「あと一歩というところ」「物足りない」との意見も多く、“何か”が欠けているという声も。そのためなのか、前作の『ONE PIECE FILM Z』よりもスタートの興収もやや落ちてしまっている。ここから盛り返すことはできるのだろうか。

　さて、ランキングに話を戻すと、2位は公開2週目のディズニー映画『ファインディング・ドリー』。今週こそ首位の座を『ONE PIECE』に明け渡したものの、最終興収予測では『ONE PIECE FILM GOLD』を上回る期待がされているため、これからしばらくはこの2作がランキングのトップ争いをしそうである。そして3位は『ポケモン・ザ・ムービーXY＆Z 「ボルケニオンと機巧（からくり）のマギアナ」』。アプリゲーム『ポケモンGO』が社会現象になっているため、この勢いにのって記録を伸ばすことが期待される。

　以降は4位『インデペンデンス・デイ リサージェンス』、5位『HiGH&LOW THE MOVIE』、6位『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』、7位『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』、8位『ロスト・バケーション』、9位『アクセル・ワールド INFINITE∞BURST』、10位『それいけ！アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』と続く。『アクセル・ワールド INFINITE∞BURST』は、2012年のTVアニメ放送から約4年もの歳月を経てからの映画化。「今更かよ！」「もう需要ないだろ」といった声が多数上がっていたが、初登場でトップ10入りという結果はお見事といったところか。

　夏休みが始まり子供向け映画がしばらく上位を独占しそうな中、今月29日より庵野秀明監督作品『シン・ゴジラ』が上映されるのだが、果たしてこちらの結果はどうなるのか。巷では爆死臭がするなんて言われているが……、来週の結果が楽しみだ！