水樹奈々様ver.「みんなで六甲おろし」が甲子園でどれだけ流れるか心配… 一味ちがうインタビュー記事だった（!?）「声グラ」

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――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか？　主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

「声優グランプリ」（主婦の友インフォス情報社）2016年8月号

■「声優グランプリ」2016年8月号
出版社…主婦の友インフォス情報社
発売日…7月9日（毎月10日発売）※日曜日の場合は前日発売
価格……1204円＋税
創刊……1994年

「声優グランプリ」8月号の表紙＆巻頭特集は、ニューシングル「STARTING NOW!」をリリースした水樹奈々。インタビューもシングルの話題が中心だが、今回の記事では、インタビュアーが一人称「私」を使用したり、個人的な見解を述べたりするなど、わりと前に出ているのが印象的だった。

　気になってインタビュアーのクレジットを見ると、あまり声優誌ではお見かけしない人物で、どうやら音楽ライターの模様。全体を通じて水樹との軽妙なクロストークが展開されており、流れも自然で読みやすい。あくまでも主役はインタビュイーだが、クレジットありならば、今回のようにインタビュアーの色が出る記事も増えていいと思った。

　なお、特集の最後には「みんなで六甲おろし」のMV撮影の様子が掲載されている。「みんなで六甲おろし」は、今シーズンから阪神タイガースが勝利試合後に球場ビジョンで放映している映像コンテンツ。開幕時から放映しているのは「リードヴォーカル T.M.Revolution西川貴教ver.」で、6月末より新たに「リードヴォーカル 水樹奈々ver.」が登場した格好だ。

　水樹と言えば、しばしば声優誌のインタビューでも脈絡なくタイガースの話題を出すほどの熱狂的な虎党だ。そんな彼女が甲子園で六甲おろしを歌っているだから、本人もさぞや興奮したことだろう。ただし、今シーズンのタイガースはなかなか勝ち星に恵まれず、7月25日現在は最下位と低迷中。件のMVは3バージョンが存在し、水樹バージョンはひとつだけ。しかもホームの勝利時に流れる仕様で、3バージョンをランダムに流すということなので、今後、どれだけ水樹バージョンが流れるのか……少しばかり心配である。

さて、そのほかの今月の「声グラ」で気になったのは……

【「アイマス SideM」の人気やいかに】
今月号は『アイドルマスター SideM』関連の記事が7ページも掲載。以前から「声グラ」では毎号のように『SideM』のインタビュー枠があるが、あまり周囲で盛り上がっている話を聞かないんですよね。CDをリリースすれば、わりと週間ランキングでベストテン入りしてるんですが、なぜだろう。ライブイベントが少ないからかな？　ライブ会場が不足する「2016年問題」も関わっていたりするんでしょうかね。

【高木渉『ビーストウォーズ』を振り返る】
先月号に引き続き、「声優への道」スペシャルインタビュー後編に登場した高木渉。声優陣のやりたい放題とも思えるアドリブにより、いまなお伝説のアニメとして名高い日本版『ビーストウォーズ』について語っているが、当時の逸話が興味深い。無法地帯のような収録風景を想像していたが、現場は意外とシビア。台本を訳した翻訳者を尊重し、「本来の台詞と異なるアドリブを採用するならば、現場でみんなが笑うほどの内容でないとNG」という暗黙のルールがあったのだとか。好き勝手やっているように見えても、プロの矜持があったからこその名作なんですね。

【読者投稿ページ、いつの間にかリニューアル！】
ふと気がつけば、読者投稿ページのタイトルが「Dr.グランの声優ラボ」から「集まれ！声グラ学園」に変わっていた。驚いてバックナンバーを確認すると、どうやら先月号からリニューアルしていたようだ。でも、気がつかないわけですよ。だって、キャラクターが変わっただけで中身は一緒なんだもん。しいて挙げるなら「イラストギャラリー」が「美術部☆イラストギャラリー」に改称されており、申し訳程度の学園感を醸し出しています。今回のリニューアル、なんか意味があったんですかね……？
（文／神楽坂隆）