ありがとう秀次、安らかに秀次…秀吉&秀次の凄まじい演技力にファン感涙!『真田丸』第28話「受難」レビュー

1607_sanada28.jpg『真田丸』公式サイトより。

 予告の段階で分かっていたことではあったが、今話で豊臣秀次(新納慎也)が退場。いよいよ豊臣政権崩壊待ったなし! という重苦しい展開となったが、それでも古い歴史好き・大河ドラマファンにはうれしいネタがぶっ込まれたり、楽しい見どころもあった大河ドラマ『真田丸』第28話「受難」。なお、前回は参院選の影響で数字を落としていたが、今回の視聴率は17.0%(ビデオリサーチ調べ)ともとの水準に戻ってきている。一安心。

 さて17日に放送された第28話「受難」は、居場所を失った(と思い込んでしまった)秀次は関白の座を放棄し、信繁(堺雅人)を頼って京の真田邸に身を寄せる。一方、信繁は秀吉(小日向文世)から、大谷吉継(片岡愛之助)の娘・春(松岡茉優)との結婚を命じられる。秀吉の怒りを恐れた秀次は、信幸(大泉洋)を伴い高野山へ向かう。秀次の娘の運命を託された信繁は、堺の伝説の商人・呂宋助左衛門(松本幸四郎)のもとを訪れ、彼女をルソン(現在のフィリピン)に連れていくよう依頼するのだが、その間に秀次は切腹を果たしてしまう。逆上した秀吉は、彼の妻や側室、娘たちを処刑させるのだった、という豊臣家好きにはきつい物語が展開された。

 秀次の高野山行き→切腹に至るまでの流れは、これまで、ほぼ見たことも聞いたこともない展開となったが、登場キャラクターたちの心情なども含めて、割と無理なく進行したように思う。ネット上の反応を見ても、「秀次の死は新解釈だったけどよかったな」「秀次の精神的な辛さもわかるし、秀吉の怒りのほどもわかる。現代的であり、大河ドラマとしても見事な解釈。三谷さんは本当にすごい」と、好意的に受け止めるファンが多かった。

 ただ、秀次の娘・たか(岸井ゆきの)をルソンを逃げ出させる下りは、ちょっと無理があったというか……。史実的には、信繁は秀次の娘・隆清院を側室にしていて、子どもも何人か設けているが、彼女がいつどう亡くなったが判然としていない。「脚本上の都合。最初の妻お梅同様、いつ死んだか史実でも不明な女はさっさとフェードアウトさせて信繁の女は正妻ときりの二人だけに絞った模様」といったネット上の書き込みもあったが、これが真実に近い気もする。

 なお、たかを託された呂宋助左衛門だが、彼もまた大河ドラマ『黄金の日日』(1978年)で主役として描かれた人物。もちろん、当時は六代目市川染五郎だった松本幸四郎が演じている。松本幸四郎は約38年ぶりに同役を演じたわけだが、その意気込みを語ったインタビューが『真田丸』公式サイトに掲載されているので、チェックしてみよう。なお、助左衛門登場直前に差し込まれた夕日のカットインは、『黄金の日日』はOPにそっくりだった。オッサン大歓喜である。

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