声優誌レビュー「Pick-up Voice」2016年8月号

声優誌の表紙を“単独”で飾るのは難しい? 岡本信彦が初の単独表紙を飾った「Pick-up Voice」8月号レビュー

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

岡本信彦が初の単独表紙を飾った「Pick-up Voice」「Pick-up Voice」(音楽専科社)2016年8月号

「Pick-up Voice」2016年8月号
出版社…音楽専科社
発売日…6月25日(毎月26日発売)※日曜日の場合は前日発売
価格……1139円+税
創刊……2007年

「Pick-up Voice」8月号の表紙&巻頭特集は、2ndシングルをリリースした岡本信彦が登場。第三回声優アワード(2009年)で新人男優賞を受賞して以降、順調にキャリアを積み上げているが、単独では初表紙とのこと。

 同誌が頻繁に取り上げるKiramuneの所属アーティストでもあり、てっきり単独表紙も経験済みだと思っただけに、これは意外。彼クラスの実績でも単独表紙って難しいんですね。同誌のカラー的には、ソロの音楽活動の豊富さなどが影響するのでしょうか。

 インタビューは2ndシングル「君の笑顔 僕の笑顔」の話が中心で、今回は収録曲(3曲)すべての作詞を岡本が担当。このため、記事は歌詞について掘り下げる内容となっている。作詞については楽しかったと振り返っており、次回以降の作品でも挑戦したいとのこと。なお、7月6日にリリースした同シングルは、オリコン週間ランキングで初登場18位と上々のスタートとなっている。

 一方、裏表紙&巻末特集は水樹奈々上坂すみれ。夏アニメ『この美術部には問題がある!』に出演中のふたりで、水樹はOPテーマ、上坂はEDテーマも担当している。個別のQ&Aで、中学校の部活について上坂が回答した「紅茶愛好会」のインパクトが強かった。彼女は中高一貫の私立女子校に通っていたが、女子校には紅茶愛好会なんて小洒落た部活があるんですね。

 ちなみに、このふたりのグラビア。全体的に光が強くて、鼻筋の陰影すら見えないカットが多いのが印象的でした。

 さて、そのほかで気になったのは声優ユニット・ミルキィホームズ橘田いずみ佐々木未来徳井青空、三森すずこ)。『Project MILKY HOLMES』のメディアミックスにより誕生した同ユニットも、気がつけば結成6年目である。

 記事は5月に行われたライブを振り返る内容だが、同ライブでは今年の大晦日に完全新作アニメ放送とカウントダウンライブの実施が発表されており、まだまだプロジェクトは健在な様子。

 しかし、近年はアプリゲーム『トイズドライブ』(ブシロード)の新シリーズがリリースから4ヵ月で終了するなど、すべてのプロジェクトが順調とは言えない状態だ。アニメおよび声優ユニットが主力コンテンツとなっている感が強いだけに、彼女たちの活躍がプロジェクト存続の鍵を握ることになりそうだ。
(文/神楽坂隆)

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