想いを伝えないまま消えてしまうのは、悲劇なのだろうか? ドラマ『時をかける少女』第2話レビュー

 ミホを演じた高月彩良が美しい。アイドルユニット「bump.y」のメンバーとして活動していた頃から美人だったけど、年齢を重ねて女優としての魅力が増した感じがする。前クールのTBSドラマ『重版出来!』で、漫画家を目指す少女の役を演じているのを見て気になっていたが、今回のドラマでその魅力を確信した。

 2年前、ミホは、現在の未羽の担任である矢野先生(加藤シゲアキ)に恋をしていた。

 しかし、教師と生徒との恋、それは許されないものと考えていたミホは、その想いを必死でこらえながら、勉強に励むのだった。

 彼女の想いを知った未羽は言う「想いを伝えないまま死ぬなんて悲劇だ」。

 そして彼女は、その想いを伝えるために、ミホの写真を撮りに過去へと向かう。

 しかし、ここで考えさせられる。想いを伝えられないことは悲劇なのだろうか? もちろん、恋をしている真っ只中の若者たちにとってはそうかもしれない。

 しかし、年を重ねてみれば、伝えられなかった想いほど、キラキラとした思い出となって心の中に残るものだ。

「恋を伝える」ことよりも「恋をした」という事実のほうが重要、そんな気がする。

 そして、アイドルファン的な目線で見れば、恋をしないようにと我慢している姿は、「恋愛禁止」を掲げているアイドルの姿とダブるのである。

 それは、実はファンも同じだ。アイドルに対して「好きだ」という気持ちを抱きながら、決して本気で恋をしてはいけない。そんな姿にシンパシーを抱くのである。

 過去に戻り、何とかミホに写真を撮らせてもらうことになった未羽だが、なかなか彼女の想いを伝えるような一枚が撮れない。

 しかし、彼女が亡くなる夜、矢野先生を見送る駅のホームで、恋をする表情を捉えた写真を収めることができる。その一枚を、現在の矢野先生に渡す。2年越しで思いを伝えた瞬間だった。

 ドラマのラスト、学校の中でのさまざまなシーンがつながれていく。

 屋上でひとり社交ダンスを踊る西岡、廊下で歌を披露するネットアイドルの大西(八木莉可子)、そこにカットインするミホの姿。

 どれもが今、やりたいことをやれている嬉しさに満ちていて、その姿が愛おしい。

 そうだ、確かに志半ばで命は途切れてしまったかもしれないけれど、伝えることをこらえて人を想い、恋をしていたことは、決して無駄でも間違いでもないのだ。

 想いを伝えられないことは悲劇ではない。誰かへの想いを抱えて、毎日を生きることができれば、それだけで十分人は幸せなのだ。

 第1話は、原作をなぞったシーンも多かったが、今回からは完全にオリジナルストーリー。未来人・ゾーイ(吉本実憂)のキャラクターも見えてきたし、どこか木皿泉の作品を思わせるようなエピソードの使い方も見事で、楽しめた。

 そして今週の萌えポイントは、未羽がタイムリープから帰ってきたときの「んにょ」という声。かつて、ドラマ『トリック』(テレビ朝日系)で仲間由紀恵演じる奈緒子が「にゃ」という声を発していたが、それにも通ずる可愛らしさがある。

 来週、第3話のエピソードは文化祭。学園ドラマの定番行事を、『時をかける少女』はどんな風に見せてくれるのか、楽しみに待つことにしよう。
(文=プレヤード)

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