14日、広告大手アサツーディ・ケイ(ADK)は、アニメ制作会社のゴンゾを買収すると発表した。15日から1株2万6,819円で公開買い付けを実施する。1割を保有するいわかぜキャピタルが応募することで合意している。全株を買い付けた場合の買収金額は約62億円。
ゴンゾといえば、1998年にOVA『青の6号』をリリースし、フルデジタルアニメの先駆者としてその地位を確立。その後は『ブレイブストーリー』や、重厚すぎる展開がシブカッコ良かった『巌窟王』、海外のほうでの知名度が高い『アフロサムライ』シリーズ、佐藤順一監督が手がけた『カレイドスター』、水樹奈々の出世作ともなった『バジリスク ~甲賀忍法帖~』、パンツじゃないから恥ずかしくない『ストライクウィッチーズ』(2期以降はAIC Spirits)などを手がけた、かつてのヒットメーカー。
だが、ここ数年は元請(製作会社から制作全般を最初に請け負う受注元)を担当することも減り、元請を担当していた作品の中にも、大ヒットにつながった作品も少なかった。
一方で志やクオリティ自体はすごいのだが、どんな層をターゲットにしているのかが分かりづらい“誰得”オリジナル作を量産してみたり、原作を大幅に改編して原作信者にボコボコに叩かれてみたりと、いい意味でも悪い意味でも話題を提供しつづけてきたメーカーでもあったゴンゾ。
アニメファンたちにも強いインパクトを残してきたようで、「ゴンゾってまだあったんだ…」「もう優秀なスタッフは抜けてて、出がらし状態だろ」といった辛らつな声ももちろんあるが、「完全版LAST EXILEを作ってくれ」「スピードグラファーみたいにアラだらけでも意欲的なの作ってほしい」「早く妙にシャレオツなOPと序盤が滅茶苦茶面白いオリジナルを作る作業に取り掛かれ」と褒めているのか、けなしているのか微妙なラインだが、とにかく奮起を期待する声も多く上がった。
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