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モノブライト出口博之の特撮自由帳(3)

モノブライト出口博之の特撮自由帳(3)祝・ライダー45周年! 記念イヤーに熱く展開した『仮面ライダーアマゾンズ』が描いた“正義対正義”とは!?

2016.07.13

『仮面ライダーアマゾンズ』公式サイトより。

・サブタイトル「M」について

 仮面ライダーアマゾンズの物語を紐解く手がかりは、原典『仮面ライダーアマゾン』で描きたかったことの他にも、アマゾンズのサブタイトルにも隠されています。各話のサブタイトルを見てみましょう。
Episode 1 AMAZONZ
Episode 2 BEAST INSIDE
Episode 3 COLONY OF ANTS
Episode 4 DIE OR KILL
Episode 5 EYES IN THE DARK
Episode 6 FOR WHAT I FIGHT
Episode 7 GAME OF THE BUTCHERS
Episode 8 HERO OR NOT
Episode 9 INTO THE CANNIBAL’S POT
Episode 10 JUNGLE LAW
Episode 11 KILLING DAY
Episode 12 LOST IN THE FOG
Last Episode M

 仕掛けとしては1話からアルファベット順にAからMと並んでいますが、それぞれの回の象徴的なワードがきちんと内包されています。そして、一番目を引くのが最終話の「M」です。これまでアルファベット順に並べるルールを遵守しながら象徴的なテーマを掲げていたのに、なぜ最後は一文字なのか。それは、アマゾンズ(第1シーズン)の着地点が「M」に集約されているからなのです。劇中に見られるMについて、列挙してみたいと思います。

アマゾン細胞に人間の遺伝子を移植して誕生した仮面ライダーアマゾンオメガの変身者は水澤悠(M)
悠が常に口にする「守りたい(M)ものを守る(M)」信念
悠が駆除班に入り行動をともにするモグラアマゾン(M)のマモル(M)
マモルが食人に覚醒し、腕を食べられてしまった同僚の三崎(M)
死と隣り合わせのアマゾン駆除に従事する駆除班メンバーの行動原理は報酬。チームの絆はマモルから受け取った5円玉(お金=Money)
駆除対象になっているアマゾンの呼称が「ムシ(M)」
アマゾンはミュータント(M)でありモンスター(M)
4000匹のアマゾンを待ちに解き放った野座間製薬会長・天条隆顕(てんじょうたかあき)に対峙した鷹山仁が「一番おかしいのはアンタだ」と嫌悪する(おかしい=Mad)
アマゾン細胞に自分の遺伝子を移植して仮面ライダーアマゾンオメガ/水澤悠を生み出した本部長・水澤令華(みずさわれいか)ある意味ではアマゾンの「母=Mother」である
アマゾンが欲するのは人肉(Meet)
登場人物全員が食事(Meal)をしなければ生きてはいけない

 こじつけの部分もありますが、ここまでMが繋がると偶然ではない気がします。しかし、きちんと意味を汲んだサブタイトルの流れを考えると、このMにはもう少し違う意味が隠されていると思うのです。
 作品の世界観を鑑みると、一番ハマりの良い言葉が「メメント・モリ(Memento mori)」ではないでしょうか。

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