真田家も豊臣家もすれ違いばかりで重苦しい展開の中、パパ幸ときり(長澤まさみ)が身を張って笑いを提供!?『真田丸』第27話「不信」レビュー

1607_sanada27.jpg『真田丸』公式サイトより。

 秀次(新納慎也)がどんどん追い詰められていく(勝手に落ち込んでいく)、怖い展開が続く『真田丸』(NHK総合)。10日放送の第27話は、参院選の開票速報が19時55分から放送されるのに伴い、50分繰り上げの19時10分からの放送となった。ネット上では「50分繰り上げだぞ!」といった類の親切な書き込みも多く挙がっていたが、それでも見逃してしまった人は多かったのではないだろうか。視聴率も15.1%(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)と下げてしまったが、これはある程度しょうがないだろう。

 さて第27話「不信」のあらすじをざっくりとまとめると、「秀吉(小日向文世)と茶々(竹内結子)に再び男子が誕生。秀吉との溝が深まることを恐れる秀次は、吉野の花見で能を披露し機嫌をとろうとするが、逆に秀吉の怒りを買ってしまう結果に。一方、関白秀次付きになった信繁(堺雅人)へ、秀吉は官位を授けると言いだす。信繁は兄・信幸(大泉洋)にも官位を願い出るが、それを知った信幸は弟に情けをかけられたと激しく憤る。そんな中、秀次が失踪してしまうのだが……」といったストーリーが展開された。

 真田家も豊臣家も、お互いを一応思いあっているのに、その思いが行き違いとなって人間関係がギスギスしていく。見ていて胃が痛くなるような展開が今回も続いたが、特に切ないのが関白となった秀次。今回は秀吉の暴走に釘をさしたりと、しっかりとした一面があるだけに、天下を統一した偉大な叔父の跡を継ぐというプレッシャーから、彼がどんどん被害妄想を募らせていく過程は実に物悲しい。

 真田家のほうの行き違いも悲しい。ここまで性格は全然違うのに、仲良し兄弟だった信幸と信繁がここにきて仲違い。しかも信繁がもらった官位である従五位下、左衛門佐に引っ掛けて「頼朝、義経」の兄弟を持ち出すあたりも辛いところ。“1192つくろう鎌倉幕府”でお馴染みの源頼朝と義経の兄弟も、不仲になった原因の一つとして義経が勝手に官位をもらったことにあるという説もある(ちなみに従五位下、左衛門尉)。

「その兄弟を例に持ち出してしまうとは、なんと不吉な……」と誰もが思っただろうが、この辺も兄弟が別々の道を選ぶことのフラグなのかもしれない。なお、信幸・信繁がそんなシリアスな展開を迎えているというのに、パパ幸(昌幸/草刈正雄)ときたら、「もらえるもんは病気以外はもらっとけばいいじゃないか」「いやぁ~、怒っとったなwww」とまるで他人事。さらに秀吉に押し付けられた伏見城の普請も信繁に押しつけて逃亡してしまうなどやりたい放題で、重苦しい雰囲気の中で貴重な笑いを演出してくれた。

真田四代と信繁 (平凡社新書)

真田四代と信繁 (平凡社新書)

これ、非常に勉強になりました

真田家も豊臣家もすれ違いばかりで重苦しい展開の中、パパ幸ときり(長澤まさみ)が身を張って笑いを提供!?『真田丸』第27話「不信」レビューのページです。おたぽるは、その他ホビーの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!