10日、第24回参院選が投開票された。
今回の参院選で、マンガ・アニメ・ゲームを愛好する「オタク層」から支持を集め、出馬した山田太郎氏は、落選したものの29万1,188票という空前の数字を集めた。
今回の山田氏の選挙戦は、とうてい勝算の見込めるものではなかった。2010年にみんなの党から出馬するも落選した山田氏は、12年に上位当選者の衆院への鞍替えによる自動失職で、繰り上げ当選を果たした。しかし、14年にみんなの党は解党。新会派・日本を元気にする会の所属となったが、1月に同党が政党要件を喪失したことを受け、山田氏は参院選出馬のための受け皿を探すこととなった。
4月には、おおさか維新の会への入党が決定したものの、入党後に突如、全国比例ではなく埼玉選挙区からの出馬を指示されたことを拒否。わずか2日で離党することとなった。
その後、新党改革推薦での出馬が決定したのは6月8日。すでに選挙事務所にオフィス用品が運び込まれようとしている中での、土壇場の発表であった。
一連のドタバタに多くのオタクが選挙ボランティアに参集する一方で、もはや用済みとばかりに手のひらを返す人々は、ネットの向こうからリアルまで、あちこちに存在していた。
選挙戦終盤の8日金曜日、筆者は選挙事務所で山田氏が名誉顧問を務める「AFEE エンターテイメント表現の自由の会」の役員である、にしかたコーイチ氏の姿を見つけた。筆者は、にしかた氏にAFEEの行方も、山田氏の去就で決まるのではないかと問うた。すると、いつも、にしかた氏の傍にぴったりと寄り添っている女性が勝ち誇ったような顔をしていった。
「ほかに担ぐ神輿も探してますから!」
あまりな言葉に筆者は驚き、にしかた氏に山田氏のハシゴを外しにかかっているのかと尋ねた。
「だって、うちは消費者団体ですから」
にしかた氏は、笑みを浮かべながらそう答えたのであった……。
そうした「身内」を抱えながらも、山田氏にはブレはなかった。選挙戦最終日、山田氏は、秋葉原で正午から8時までのロングラン街頭演説を開催した。雨交じりの天気の中で山田氏は最初は手にしていた傘を投げ捨てて秋葉原の道行く人々に、声をからしながら訴えかけた。
「オタクのパワーを見せてやろう。なんとしても戦わなくてはならない、このタイミングを失えば次はない。のうのうと議員の仕事をするつもりはない」
正午過ぎには5人ほどしかいなかった聴衆は300人あまりに膨れあがり、選挙戦は熱気に包まれて終わった。
身内の裏切り・ハシゴ外しにも動揺せず──山田太郎氏、29万票超を獲得し、新たな政界への意欲ものページです。おたぽるは、芸能、アイドル&声優、山田太郎、昼間たかし、表現の自由、参院選、新党改革、おお さか維新の会、みんなの党、全国比例区の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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