浅川悠がアイドル化の進む声優界に苦言 業界が「人気のあるカワイコちゃん」を求めた結果、新人声優は……

1607_asakawa.jpg浅川悠の公式Twitter(@Julia320)より。

 ボーカロイド「巡音ルカ」のボイスキャストをはじめ、アニメ『あずまんが大王』の榊役、『新妹魔王の契約者』の長谷川千里役などで知られる声優の浅川悠(41)が自身のブログで、アイドル化が進んでいるとも言われる今の声優界に苦言を呈し、話題となっている。

 今ではよく聞く言葉となった“アイドル声優”。アニメのキャラクターに声を吹き込むだけでなく、近年は歌手活動をしたり、写真集を発売したり……と、幅広く活躍する声優が増加。“アイドル化”が進んだ影響か、以前は裏方業とされてきた声優が、「ルックスや若さも重視される」と言われて久しくなっている状態だ。

 そんなアイドル声優は、人気を博す一方で「声優本来の実力は劣る」と指摘されるなど、前々から賛否が分かれている。声優界でも、田中真弓が「アイドル=若いということ。アイドル声優をやれてるうちに、自分の50~60歳を想像できないとダメ」と警告したり、1990年代の声優ブーム時に活躍していた桑島法子も「アイドル声優は旬を過ぎたら使ってもらえなくなる」と、さらにはアイドル声優の礎を築いた林原めぐみも「安くてかわいいから使われるような、薄利多売になってほしくない」と発言。声優自らが今の声優界に警鐘を鳴らしている。

 その中で、浅川悠も7日に更新した「新人がいけないのか、大人がいけないのか」と題したブログ記事で、声優界の内情を明かしながら、今の声優界について持論を展開している(以下、編注を加えながら一部を紹介/全文ママ)。

「キャスティング担当さんが、先方さんに声優の候補をあげると『この子はTwitterのフォロワーが少ないから違う声優を探してくれ』って言われる事もたまにあるとかないとかあるとかないとか」

「とにかく何とか成功したい新人ちゃんが声優はとにかく人気がないといけない 有名にならないといけないと思って芝居の稽古よりもTwitterのフォロワーを増やすことに必死になっても仕方のないこと。(中略)若くてかわいくなくちゃいけない ウケのいい外見でいなくちゃって焦っている」

「実際にアニメのオーディションには年齢制限がある時もあるし 雑誌の人気投票で10位までの人から選んでください なんてオーダーが来る時もあったりなかったりあったりなかったり」

「でも『最近の新人は芝居できないのに人気ばかり気にする』なんて言われちゃう まわりの大人がそうゆう世界にしたんじゃないの? 子供は大人に認めてもらうために、少ない知識で何かを感じ取ろうと一生懸命なのよ(中略)そうゆう【注:人気重視の】選び方をしてそうゆう世界にしたのは大人達なのに いざとなると人気だけあるけど、かわいいけど、芝居ができないとか言われちゃう」

「そりゃそうよ【注:オーディションに年齢制限などを設けた結果】新人だらけの現場ばかりでベテランの先輩とお仕事できる機会が少ないんだもの 心震える機会がないんだもの いくら勉強したって、実際にいいものを見なきゃどうにもならない」

 

――声優を使う側が声優に対し、演技力より人気や若さ、容姿を求めた結果、それに対応しようとした新人声優の演技力の低さが指摘されることとなっているようだ。売り上げのために人気のある声優を選ぶのはショービジネスだから仕方ないと綴っているが……。

 浅川は続けて、

「なんやかんや言っても声優はやっぱりお芝居が第1であり、お芝居はしっかりがんばらなきゃねとも思っている しかし選ぶ側は一体全体芝居が欲しいのか人気のあるカワイコちゃんがほしいのか最近はなんだかブレブレな雰囲気を感じる時もある」

「人気のある先輩はお芝居ができたから人気が出た。だからとにかく芝居をきちんと。なんてよく言われるし、決してそれは間違っていないけれど なんていうか今は順番が逆で とにかくなんでもいいから人気!とにかく人気を先につけて、お芝居は後から何とかしていこうって感じなのかなそれもビジネスとしての作戦ならば仕方ないけれど でも流れを変えた張本人たちが流れにのろうとしている子供たちを責めるのはかわいそうだなあ」

 

――声優を使う側がまず先に演技力を求めているのか、人気や容姿を求めているのか、ブレブレであることを指摘。なお、浅川は最後に「新人ちゃんをきちんと育ててくれる現場やスタッフさんもたくさんいる」と補足しているが……。

 このブログについては「正論すぎる」「まったくそのとおり」と賛同する声をはじめ、「お金にならないと制作会社や事務所も経営できないから仕方ないのかもしれないけど……」「下手な声優を育てながら使えば? 花澤香菜もそうだっただろ」「演技は才能でいつ開花するか分からないけど、ルックスの良し悪しは確実に判断できるからなあ」「悲しいけど、実際声優業界ってそんなもん」などさまざまな意見があがっている。

 このブログのタイトル「新人がいけないのか、大人がいけないのか」の“大人”という言葉には、アニメ制作サイドや声優事務所だけでなく、若さや容姿を売りにした“アイドル声優”を受け入れたファン側も含まれているようにも感じる。今後も“アイドル声優”の存在については、さまざまな場所で議論が繰り広げられそうだ。

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