美少女に悪霊が取り憑いた!? 実話系ホラー映画『残穢』と『死霊館』は、マジガチで怖すぎる!!

 ホラーマニアならずとも気になってしまうのが、実話怪談と呼ばれるジャンルだ。だいたいのホラー映画は「どーせ、フィクションでしょ?」と受け流せるが、実話怪談をベースにした実話系ホラー映画はあちらの世界(映画の世界)とこちらの世界(現実世界)が地続きとなっており、恐怖がひたひたと身近に迫ってくる不気味さがある。怖いのがダメなら近寄らなければいいのに、「どこまで実話なのか」と気になって確かめたくなるからタチが悪い。この夏、そんなおすすめの実話系ホラー映画を2本紹介したい。

1607_zane.jpg映画『残穢 住んではいけない部屋』公式サイトより

 自宅で灯りを消して、ひとりでじっくり映画を鑑賞したい人向けなのは、7月2日にDVD&ブルーレイが発売された中村義洋監督の『残穢 住んではいけない部屋』だ。中村監督は『白ゆき姫殺人事件』(14年)や『殿、利息でござる』(16年)など多彩な作品を撮っているヒットメーカーだが、若手時代に手掛けていたのがレンタルビデオ店のホラーコーナーに今もずらりと並んでいる『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズ。低予算フェイクドキュメンタリーであるこのシリーズで、『残穢』でも組んでいる脚本家の鈴木謙一と共に下積みを経験し、映像業界で生きていくガッツを培った。ちなみに『そのおこだわり、私にもくれよ!!』(テレビ東京系)の松江哲明監督も、『貞子vs伽椰子』が大ヒット中の白石晃士監督も“ほん呪”シリーズ出身監督だ。

 京都在住のホラー作家・小野不由美は“ほん呪”シリーズの大ファンで、視聴者から寄せられた怪奇現象に関する情報をスタッフが検証するという“ほん呪”のフォーマットを独自に発展させたものが原作小説『残穢』(新潮社)となっている。ホラー小説ながら山本周五郎賞を受賞した『残穢』が映画化されることになり、“ほん呪”の初代ディレクターだった中村監督が指名されたという経緯があった。原作者自身をモデルにしたホラー作家を竹内結子、伴侶である直人(綾辻行人がモデル)を滝藤賢一、夫妻と仲がよい作家の平岡芳明(平山夢明がモデル)を佐々木蔵之介が演じ、マンションで起きた怪奇現象を発端にした恐怖の源泉を探っていく。

 原作小説では怪奇現象が起きる郊外の賃貸マンションで暮らしている女性は30代のフリーライターだったが、映画版では女子大生に設定が改められ、この女子大生・久保さんを演じているのが橋本愛。夜、ひとりで勉強していると誰もいないはずの和室から畳を擦るような奇妙な物音がする。ミステリー好きな久保さんはホラー作家(竹内結子)とこの奇妙な物音の元凶を調べていくうちに、マンションが建てられた土地に隠された歴史の暗部を覗くことになる。橋本愛は綾辻行人原作『Another アナザー』(12年)の眼帯少女役で息を呑むような美少女ぶりを見せたが、女子大生を演じた『残穢』は彼女のリアルな成長が楽しめる。一見するとごく普通の女子大生だが、自室で起きた怪奇現象が気になって、徹底的に調べ上げるというかなりの変わり者。竹内結子と橋本愛が土地にまつわる因縁を調べて回るくだりは、ドキュメンタリータッチとなっており、限りなく素に近いリアクションを女優陣は見せている。怪奇現象の正体を知った瞬間、橋本愛が親指の爪を噛む表情がとてもいい。本当に恐ろしいものに出くわしたとき、人間は声を失ってしまうようだ。

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