「ヒットの要因は脳内補完にある」2.5次元演劇界の先駆者・松田誠氏が語る「2.5次元ミュージカル」の新たな市場開拓

1607_matsuda04.jpgネルケプランニング公式サイトより。今後も様々な作品が上演される。

■世界標準化を目指して

 松田氏が代表を務める日本2.5次元ミュージカル協会では、渋谷にある専用劇場「AiiA 2.5 Theater Tokyo」の運用や、英語版のチケット販売サイト、4カ国語から選択できる「多言語対応字幕メガネ」の導入など、海外顧客への誘致対策も行っている。

 15年には『テニミュ』や『セラミュ』など5タイトルが上海、台湾、香港、マカオ、マレーシア、シンガポールでも上演され、海外からも高い評価を受けている「2.5次元作品」。今後も様々な作品で世界進出を図っていくそうだ。

 現在、「2.5次元作品」の観客のほとんどが20~40代の女性。男性やジュニア、シニアなど、ターゲットになりうる層はまだまだいると語る松田氏は、新たな市場の開拓とともに、日本で生まれた「2.5次元文化」を海外のミュージカル市場へ進出させるため、「制作会社やテレビ局、出版社などの垣根を越えて、オールジャパンの体制で海外に発信していきたい」と、最後に語った。

 残念ながら、今回のセミナーで目新しい発表はなかったが、「2.5次元ミュージカル」の持つ様々な可能性を実感し、ライブ・エンタテイメントの新たなコンテンツとして、今後ますます拡がりをみせるだろうと改めて確信した。今後、女性から男性、ジュニアからシニアまで様々な世代が楽しめる作品が生み出されていくことだろう。

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