衰えないB級サメ映像人気! ときには苦言を呈しつつ、海洋専門家も熱心にチェック

■海洋生物学者に評価され『Shark Week』の信用が回復

 マイアミ大学の海洋生物学者でサメの専門家であるデイビッド・シッフマン氏もこの回の『Shark Week』を残念に思ったエキスパートの1人だ。しかし裏を返せば、それだけこのシリーズの熱心な視聴者であることの証左にもなるだろう。『Megalodon: The Monster Shark Lives』の放映直後、シッフマン氏は自身のツイッターで自説を書き記している。

「専門家としてメガロドンは絶滅したとはっきりと言える」(デイビッド・シッフマン氏)

 また、サイエンスライターのクリスティン・ウィルコックス博士も当時同様の書き込みをしている。

「メディアで話題にする前にファクトチェックが必要だったようです」(クリスティン・ウィルコックス氏)

『Shark Week』シリーズのそれまでの番組では基本的にフィクションは排した科学的な自然ドキュメンタリーだったのだが、なぜこの回だけ決定的ともいえる部分に演出を盛り込んだのかは現在もよくわかっていないということだ。とはいえ、視聴率を狙った側面がなかったはずがない。シリーズのファンほど“裏切られた”という思いを抱いたのではないかといわれている。

 この騒動から3年が経ち、現在はこのメガロドンの件はずいぶんほとぼりが冷めた感じにはなっている。先頃、シッフマン氏はツイッターに最近の『Shark Week』が質の高い内容で視聴者の信用を着実に回復させていると評価している。似非科学的な要素がなくなり、科学的な観点からサメの生態を追う重厚な内容になっているということで、まずはファンにとっても一安心だろうか。

 日本でも先月、「ニコニコ生放送」でB級サメ映画を9日間放送する「サメコレ2016」が開催され好評を博したように、ドキュメンタリーでもB級映画でもサメの人気はまだまだ続きそうだ。ただ気になるのは、昨年の夏に茨城、千葉、神奈川、静岡などの海岸で異例ともいえるサメの出没が相次いだことではないだろうか。海に行かれる際にはリアルなサメにもじゅうぶんに注意されたし。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・The Daily Dot
http://www.dailydot.com/geek/shark-week-episode-reviews/
・Time
http://entertainment.time.com/2013/08/07/discovery-channel-provokes-outrage-with-fake-shark-week-documentary/

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