また、女優としてもキャリアを重ね、2005年の連続テレビ小説『ファイト』(NHK)では、本仮屋ユイカ演じる主人公の母親役を演じていた。
その姿には、かつて感じていたような居場所のなさや淋しげな雰囲気はなく、にじみ出てくるような優しさと暖かさにあふれていた。
それはまるで戦いを終えた戦士のようでもあり、本当の母親の気持ちが表れているようだった。
「あぁよかった、彼女は幸せになったんだ」そう思った。今までファンとして彼女を応援してきたことも、無駄ではなかったと思った。
そして2009年、あの「事件」が起きる。
正直、あの時、世間で言われていた「クリーンなイメージが損なわれた」「ファンを裏切った」というような気持ちは、まったく感じなかった。留置されていた湾岸署に「身代わりになるんで、のりピーを出してあげて欲しい」と電話したファンがいたそうだが、その気持ちはよくわかる。
だって、今まで彼女から元気や勇気をもらってきたことを思えば、辛い立場にいる彼女をまた応援したいと思うのは当然のことだから。
不思議と冷静な気持ちで彼女の報道を見守った。出された判決は、懲役1年6カ月、執行猶予3年。
「彼女はまたスタートラインに立ったんだな」そう思った。
謝罪会見にも、批判があった。
「きれいすぎる」
「自分がどう見られているか計算しているのではないか」
当たり前である。
彼女が芸能界で、何年間修羅場を経験していると思っているのか。
涙を流すタイミングや、カメラに映る角度など、体に染み付いているに違いない。
2012年に芸能界に復帰して、今回、新たにファンクラブも再開する。ネットの反応を見てもわかるとおり、予想以上に険しい道が彼女を待っていることだろう。
けど、今まで多くのものと戦ってきたことを思えば、きっとまた戦い抜いてくれると信じたい。
だから、彼女がまたこの戦いを終えて、幸せをつかむまでは、私たちは応援することを止めない。
彼女は、私たちがともに戦ってきた戦士であり、彼女が戦っている姿を見ることが、何よりも大好きだからだ。
(文=プレヤード)
■「酒井法子 30th ANNIVERSARY コンサート」
9月22日(木・祝) ディファ有明 17:00~
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