カウンターの向こうからゆっくりと、つむぎの可愛らしさにデレデレしてればOK!? “あにめのめ”第1弾作『甘々と稲妻』シリーズ構成・広田光毅氏インタビュー!

1607_amam05.jpg3人のファーストコンタクト

■特別なことは、誰もしていないんですよ(笑)

―― 料理で対決するとか、すごい名産を持ってきたり、スペシャルなものを取り出したりしないですものね。

広田 そうです、産地とかこだわったりしないですよね。送ってもらった野菜を使ったりはしますけど、素材は商店街の八百屋さんとかスーパーで普通に買い揃えられるものばかりだと思いますし、そうじゃないと日常に根付いたお話とはいえないと思います。では、人間関係とかに踏み込んで描写しているかといわれれば、そうでもない。『甘々と稲妻』は、今日読んで、明日も読んでも同じように楽しめる作品なんだと思います。

―― 特別な料理ではないご飯を作って、おいしく食べるという日常を描くのは、実は大変難しいことではないのかと思いますが。

広田 これがですね、実は僕も岩崎(太郎)監督も特別なことをしていないんですよ(笑)。さっきも言いましたけど、原作の物語がゆったりと時間が流れています。何かを強く訴えたり感じ取ってもらいたい作品だと、単調な画面が続きそうなときには、「これは(画面が)もつのかな、大丈夫かな」と心配になってしまうんですけど。

―― そこで何か一つ余計なことをしたくなってしまうと。

広田 したくなっちゃうんです(笑)。でも『甘々と稲妻』は、我々がどうかしないといけないという必然性をあまり感じることがないんです。コミックという紙媒体とアニメと、メディアが違いますから、どうしても足さなきゃいけない要素は存在しますけど、原作をいただいてシナリオを起こしていく段階で、何かしら要素を足す、あるいは間引くという必然性をこの作品では感じないんです。視聴者の方が、3人が料理し食べているところを、カウンターの向こうからゆっくりと見てくれている。そんなアニメにすることができればと思っています。

 もう一つ、犬塚先生もつむぎも、何か大きなうねりや目標に向かうキャラクターではありませんから、キャラクター性がブレないんです。ごく自然に、その世界に立っていてくれればいい。何度もいいますけど、時間がゆっくり流れているので、安心して自分たちも、世界の住人になって一緒に歩いているという気持ちで、作業に取り組めました……もちろん、作画の現場は大変だろうと思いますが(笑)。一つ決めていたのが、余計なセリフを足さないこと。特につむぎは幼稚園児ですから、我々が間が持たないといった理由でセリフを足すと、それは大人の言葉になってしまいますから。基本的には何も足さない、何も引かない。それで視聴者に受けなかったら、それはもうしゃーないと(笑)。だって原作は面白いんだから、原作の良さをしっかり表現できれば必ず楽しんでくれると思っています。

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