傷つきやすいオタクが恐慌! 竹花豊・東京ビッグサイト社長が東京都知事選出馬の意向で……

 しかし、そうした危惧は首を傾げるものばかりだ。

 竹花氏は、警察庁を退官後の13年には東京ビッグサイトを運営する株式会社東京ビッグサイトの代表取締役社長に就任。このときも、コミックマーケットをはじめ同人誌即売会に影響があるのではないかと危惧された。しかし「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」の最終報告書が実行力を持たなかったのと同じく、なんら影響は出ていない。

 これまでの竹花氏の発言や著書などを読むと、彼がオッサン的思考でオタク文化に対して、よい印象を持っていないのはわかる。とはいえ、竹花都知事が誕生すれば、瞬く間に青少年健全育成条例は強化され、エロ本は壊滅し、コミックマーケットはなくなり、秋葉原は消滅するのだろうか?

 Twitterでの有象無象のツイートを見ていると、半ばそれを本気で危惧している人が大勢見られる。「同人誌と漫画とAVが同時に死ぬ」あるいは「最終目標は思想警察の復活」「戦時統制下の首長にふさわしい」だとか「警察国家日本の最終形態」というものも。

 大変だ。筆者は知らなかったが竹花氏はそんなビッグな人物だったのか。てっきり、機会があればもう一花咲かせてみたいと考えている元官僚だと思っていたのだが。どうも、竹花氏は都知事になれば、あらゆる抵抗を排して豪腕を奮う能力と人脈とを持った人物だったらしい(おまけに、知らないうちに日本は「戦時下」になっていたらしいな)。

 ネタにマジレスをしている気もするが、筆者には繊細な心を持っている一部の人々が騒ぎ立てているようにしか見えない。仮に百歩譲って、竹花氏が都知事になり新たな「表現規制」を始めたならば、また戦えばよいだけである。「青少年の健全な育成に関する条例」の存在によって常に東京都との対決を強いられる出版業界だが、戦後70年あまりの歴史を紐解けば「危機」は無数にあったことがわかる。それに比べれば、始まってもいない「危機」に恐慌し白旗を上げるのは、どういう心情なのか理解に苦しむ。

 何より、竹花氏が本当に出馬するか否かは不明瞭。それに、もっとトンデモ候補ばかりになって、竹花氏が一番マシという可能性も否定はできない。前回の都知事選も乱立する候補の中で、舛添要一氏はまだマシなほうに見えていたではないか(実際、辞任の原因となった金の問題を除けば、すべて役人に丸投げで可も無く不可も無し)。

 やっぱり、使う人によってはインターネットは「有害」なことだけはわかった。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

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