大正時代から走り続けてきた地域の財産 さいたま市・蒸気機関車撤去の危機に、あのシナリオライターも保存を呼びかけ

 地域の風景として親しまれてきた歴史遺産が、失われてしまうのか。

 さいたま市内で保存され、地域で親しまれてきた蒸気機関車の撤去解体をめぐり、全国から反対の声が挙がっている。

 保存を求める声が挙がっているのは、さいたま市中央区役所前に展示・保存されている39685号機。1920年に製造された国鉄9600形蒸気機関車(通称キューロク)のひとつである。この蒸気機関車は、製造後1971年まで51年間にわたって、貨物列車用の蒸気機関車として九州や長野、新潟などで用いられた。その後、1972年から現在の場所で展示されてきた。

 かつては、内部に入ることもできたようだが、全国の静態保存車両と同じく部品盗難などの恐れから、現在は展示のみになっている。

 国鉄9600形蒸気機関車は、全国各地に展示・保存されており、決して珍しいものではない。とはいえ、地域にとっては気軽に出会うことができる歴史遺産、産業遺産であることは間違いない。

「唯一無二の存在ではないとしても、大正時代に製造された貴重な存在であることは間違いありません」

 そう話すのは、署名サイト「change.org」で「大正時代から走り続けてきた、さいたまの蒸気機関車を助けよう!」と題して署名活動を呼びかけているシナリオライターの進行豹氏。氏は『ものべの Pure Smile』のほか、鉄道をモチーフにした作品にも携わってきたことで知られる人物。本人は「浅い乗り鉄」と謙遜するが、これまで作品の取材も兼ねて全国各地の鉄道を旅してきた鉄道をこよなく愛する人物である。

 そんな氏が、39685号機が解体の危機にあることを知ったのは、今年の初め頃のことだ。

「全国各地で鉄道遺産の保存に関わっている方々から、そうした話を聞きました。そのときは、『さいたまは鉄道の町なので大丈夫だろう』と楽観していました。が、6月に入り、解体は差し迫った状況となったとの情報を聞くようになったため、何かできることはないかと署名を呼びかけることにしました」

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