改革保守から革命組織まで……オタクの街・秋葉原の参院選序盤戦の動向

 7月10日に投開票を迎える参院選の最初の週末、全国各地で候補者たちが駆けめぐった。

 それぞれに有権者に顔と名前を売り込もうと必死の街宣が行われる中、オタクの街・秋葉原もさまざまな候補者で大いに賑わった。

 26日、「イチロー&ヤッシーvs若者たち “ガチンコ”トークセッション」のタイトルを掲げ、松井一郎代表を迎えて秋葉原駅電気街口に姿を現したのは、おおさか維新の会。

1606_akihabarasenkyo003.jpgこの時ばかりはオタクっぽさを出さない、おぎの区議

 同会が、今回目玉候補の一人に据えているのが、元・長野県知事の田中康夫氏だ。かねてより知名度のある田中氏は、改めて長野県知事時代の経験と実績をアピール。「知事在職中には、私のやり方が気にくわない県議会に不信任案も出されましたが」と、既得権益と対決してきた経験を語った。この街宣で、ビラを撒いたり熱心に汗を流していたのが、「オタク区議」として知られる、おぎの稔大田区区議。おぎの区議に、おおさか維新の会の秋葉原と絡む政策を聞いたところ、次のように語る。

「田中さんは、かねてより表現規制には反対の姿勢を貫いてきましたし、在職中は長野県で青少年健全育成条例を制定しようとする動きを許さなかった。おおさか維新の会も、新たな表現規制に反対の立場であることは間違いありません」

 大混戦となっている東京都選挙区で、田中氏の実績がどう評価されるかが見ものである。

1606_akihabarasenkyo001.jpgストライキやろうとか、秋葉原にカオスな雰囲気を生み出す鈴木たつお陣営

 ロータリーが広く便利なのか、数多くの候補者が登場する秋葉原駅電気街口。そこにたびたび姿を現しているのが、東京都選挙区に立候補している鈴木たつお氏。新左翼組織・中核派が公然と支援する候補だが、イメージカラーは真紅ではなくピンク。ビラを撒く運動員の中に、法政大学文化連盟の武田雄飛丸委員長を発見したので話を聞いてみることに。何より気になるのは「過激派」が公然と支援して投票に結びつくと思っているのかという点だ。

「悪名は無名に勝るというじゃないですか。だから、別に隠す必要はありませんよ」

 党派としての思想はともかく、学内では「左派」を自称する大学当局から苛烈な弾圧を受けるなど、ある意味「表現の自由」の最前線にある彼ら。その運動は、参院選という場ではどのように評価されるのか、注目したいところだ。

1606_akihabarasenkyo002.jpg山田太郎陣営はサイン会など新手の手段で浮動票を狙う

 数々の候補の中でもっとも秋葉原を拠点として位置づけているのが、新党改革からの推薦で全国比例に立候補した山田太郎氏だ。これまで児ポ法改定問題やTPPなどでマンガ・アニメ・ゲームファンの味方としてアピールを続ける山田氏は、25日、街宣と共にサイン会兼握手会も開催。ポスターや支援者が持参した著書にサインして、さらなる支援を呼びかけた。

 そんな山田氏が、いまもっとも批判しているのが民進党が発表した「民進党政策集2016」だ。山田氏はそこに記された「メディアにおける性・暴力表現について、人々の心理・行動に与える影響について調 査を進めるとともに、バーチャルな分野を含め、技術の進展及び普及のスピードに対応した対策を検討し、推進します」「10代の望まない妊娠や中絶を減らし、また性犯罪の被害や加害を防ぐため、男女ともに年齢にふさわしい性教育を行います」の2点を、表現規制につながるものであるとして強く批判。さらに、青少年健全育成基本法案への危惧も強く訴えかけている。

 とりわけ、山田氏は青少年健全育成基本法案を強く警戒しているようで、幾度もの街宣の中で繰り返し、この法案を阻止するために、再選をしなければならないという覚悟をアピール。

「もしも、青少年健全育成基本法案を骨抜きにすることができなかった、議員を辞める覚悟で臨みます」とも述べている。

 まだあと二週間も続く選挙戦の中で、各党各候補は、言論/表現の自由に関する問題をどのように取り上げていくのか。秋葉原駅周辺にいるだけでも、さまざまな訴えを聞くことができそうだ。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

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