サークルチケット転売問題に運営が注意も期待薄!? 転売・ダミーサークル・徹夜組・会場問題、コミケは転換期に突入か!?

1606_comiketicket.jpgコミックマーケット準備会の公式Twitter(@comiketofficial)より。

 世界最大規模の同人誌即売会・コミケことコミックマーケットの“通行証”転売問題について、コミックマーケット準備会と有限会社コミケットが公式サイトでコメントを出した。通行証とは通称“サークルチケット”で、サークル参加者が主催者より2~3枚ほど貰える。これを持っているとサークル準備のために一般入場よりも1~2時間程早く入場でき、行列に並ぶ必要がない。

 今月13日、コミケのサイトに『コミックマーケット90出展サークル専用通行証・サークル駐車券のネットオークション等への出品・募集行為について』というタイトルで、サークルチケットに対しての注意が呼びかけられた。内容は近年、「ヤフオク!」などのオークションサイトに通行証が出品されていることに関して、「通行証の券面には『売買・交換(金品を代価とする譲渡)の禁止』を謳っており、オークションへの出品は認めておりません」といったもの。そしてこのルールを破ったものは「以後のコミックマーケットへの参加を一切ご遠慮いただきます」と、強い注意を促した。

 これには当然のように「転売屋には鉄槌を! ズルする者にも鉄槌を!」「マナーは守ってこそファンであります。他人に迷惑かけるのは止めましょう」「当然の警告。出品者の悪行は暴力団と同質だ」といった賛同の声が多く上がったが、それと同時に「でも転売はなくならないんだろうなー」といった諦めムードの声も多い。

 この転売問題は再三にわたり注意が促されていたのにも関わらず、一向に減る気配がないからだ。サークルチケットは限定商品や作品をゲットしたいファン、そして転売ヤーとしては、何が何でもゲットしたいシロモノ。チケットはオークションでは最低でも1万円、高いものだと4万円ほどで取引されたりもする。そのため、金に目が眩んだものの悪行が絶えず、今現在も「ヤフオク!」で、何件もチケットが出品されている。

 また、チケットが転売かどうかを確認する方法も難しく、出品者と購入者の特定は困難。やはりチケットの転売が多かったジャニーズ系のコンサートなどでは、顔認証を導入し転売が激減した実績があるが、3日間で50万人以上を動員するコミケの規模や、その運営を基本ボランティアに頼っている現状では、とても顔認証を採用することは難しいだろう。

 そして、サークルチケットは転売を規制するだけでは意味がなく、悪党に渡ってしまうケースもある。冒頭で記述した通り、サークルチケットはサークル参加者に配られるのだが、これに目をつけ“ダミーサークル”を作り(実態がないわけでなく、適当なものを出品するなどして運営を欺いたりする)、サークル参加者となり、サークルチケットを獲得する者までいるのだ。ただでさえサークル参加の抽選倍率の高いコミケに、私利私欲のためのみに当選しようとするこの行為には「本当に許せない」「どうしたらこんなに人は腐れるの?」と非難轟々である。

 と、ここまではサークルチケットについての問題だけを挙げたが、“コミケ入場”というくくりで見るともう一つ、チケット転売問題とは別の大きな問題がある。それが“徹夜組”だ。今回のチケット転売禁止注意への反響の中には、「徹夜組も取り締まって!」「徹夜組も排除しようぜ。あれもルール違反だろ?」「次は徹夜組をどうしたら解決できるかだよな……年々増えてきてる訳だし」といった声が多くあった。これに関しても公式では禁止と注意しているのだが、取り締まれていないのが現状だ。

 2020年の東京オリンピックの年は、コミケが毎年行われている東京ビッグサイトが使用できず、その問題も依然として解決する様子は見えない(記事参照)。コミケは今大きな転換期に来ているのかもしれない。

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