【劇場アニメレビュー番外編】日本映画界を支える“アニメ映画界”を2016夏、新海誠『君の名は。』が大きく変える!?

 アニメやヲタクファンからすると意外に思われるかもしれないが(偏見のある映画ファンにも意外に思われるかもしれないが)、私自身毎年100本前後は公開されるアニメーション映画(イベント上映も含む)の大半は劇場で見続けている身としての体験として、未だかつて上映中にマナーの悪さで不快な想いをしたことがないのだ。

 基本的にアニメファンは自分が愛してやまないものを身銭切って見に来ているので、予告編あたりまではガヤガヤしていても映画泥棒CMが始まると、みんなピタッとおしゃべりをやめ、ケータイゲームをやってた者はセーヴして電源を切る(時折、慌てて映画の冒頭あたりまでまごつく者もいるが)。

 上映中もシネコンの実写を見ているおばちゃん客のようにアホなお茶の間トークしている輩は皆無で、笑いどころや泣きどころなどもさすがはツボの心得たファンならではで、そこらを外すこともないので、より観客が一体化しての楽しい空気が場内を包み込む。

 先日、ある都市部のシネコンでそこそこヒット中の洋画大作を見に行ったら、高校生たちが上映中騒ぎっぱなしで映画に集中できなかったと嘆くキャバクラのおねいさんとご一緒したが、ミニシアターでもレジ袋にお菓子持参で上映中ずっとバリバリグシャグシャと、マナーの悪い御仁が意外に多い。

 もちろんこちらが単に運が良いだけなのかもしれないが(ただしアニメ映画の劇場鑑賞を意識的に始めてもう7年経つのだが……。あ、でもジブリ作品のようなメジャー作のシネコン上映では、たまにスマホいじっているようなマナーの悪い輩もみかけるか。あと『アンパンマン』のような幼児向け作品の劇場内は、子どもよりもむしろ親のほうがマナーが悪いことのほうが多く、その点に関しては今後子どもたちが大きくなってのマナーに不安を感じないでもない)。

 私の中では今、アニメファンは理想ともいえる映画観客であり(もちろん、ときには変な奴もいるだろうし、ガルパンも場内で殴り合いの事件があったとか聞きましたけど、実写観客の慢性的なマナーの悪さに比べれば、ね)、そんな彼らが真摯に接し続けるアニメーション映画はかなり幸せに見られている確率が高く、またそういった姿勢は年々強まってきており、結果として手掛ける題材の自由化をも促進させ、またそのことによって新たなファンを増やし、徐々にではあるがファンそのものがパワーを身に着けては作品を大いに盛り上げるという、この繰り返しがなされてきているように思える。

 先日もネットをサーフしていたら、『劇場版響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へ』みたいなものは実写でやるべきなどと書いているサイトを見かけたが、冗談ではない。あの作品は作画で楽器の演奏の指使いまで丁寧に再現するアニメーターたちの力そのものによって魅力が増大している、アニメーションならではの作品なのだ。

「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」完全版(DVD)

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新海監督の初期作がリメイクされた作品です

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