ついに長野・伊那市のローカルフード「ローメン」がメジャーに? 『究極超人あ~る』もあるよ

2016.06.09

こちらが「うしお」のローメン。絶品だと思うよ!

 ついに、限られた人しか知らなかったローカルフード「ローメン」がメジャーになる日がやってきたのか。

 「ローメン」の本場である長野県伊那市が、にわかに盛り上がっている。きっかけとなったのは「ビックコミックスピリッツ」に連載中の阿部潤の作品『忘却のサチコ』(小学館)。この作品は、結婚式当日に新郎に逃げられた文芸編集者の佐々木幸子をヒロインに描かれる食マンガ。仕事やプライベートで襲いかかってくる陰鬱としてしまいそうな出来事に遭遇するたびに、幸子は美味しいを食べることによって、それを忘れるのである。

 この作品、さまざまな理由をつけて日本全国の食べ物が登場するのがポイント。幸子は、売り出し中の社会学者が出身大学で開催する文芸編集者を集めた講演会に出席するために、伊那市へとやってくるのである。いや、現実の伊那市内には残念ながら大学はナシ。最寄りの大学は信州大学農学部だけど、所在地は南箕輪村である……ここ、全国で唯一、村なのに国立大学があるというのは、豆知識で。

 さて、今回のテーマとなるローカルフード「ローメン」。作中では「マトンなどの肉と野菜を炒めたものを、蒸した麺と絡めたラーメンでも焼きそばでもない」と語られる。実に、この食べ物を説明するのは難しい。というのも、まず店によって出てくる「ローメン」は2種類あるのだ。ひとつは、ラーメンのような丼でたっぷりのつゆに浸かったスープタイプ、もう一つが焼きそばタイプである。共通項は、具は羊肉とキャベツ、麺は蒸し麺を使っていること。

 そもそも、この料理は昭和30年頃に始まったもの。発祥の店「萬里(近くに、ローメン発祥の地碑が建つ、こちらはスープ系)」の主人が「ローメン」の名の使用を自由にしたため多くの店がさまざまな工夫を凝らして進化していったのである。

 つまり「ローメン」は定型がなく、自由度が高い食べ物なのである。今回『忘却のサチコ』には、焼きそば系ローメンの人気店「うしお」とおぼしき店が登場。ここでは、卓上に置かれたごま油やニンニク、さらにはカレー粉を混ぜて食べると美味しいことが丁寧に記述されている。ちなみに、どこの店でも七味や酢は置いてあるのだが「うしお」は味変化のための調味料が豊富。とりわけ、からしマヨネーズを混ぜると絶品である。

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