元祖の地で考えた 誰にも真似できない「聖地巡礼」とは──

 こうして、数多の参拝を終えてたどり着いたのは、道の駅なち。ここは、車中泊を好む人々にもよく知られるスポット。なぜなら、道の駅に銭湯が合体しているのである。車中泊や野宿旅を好む人々にとっては、またとないスポットなのだ。

1605_kumano13.jpg世の中、寝袋があればどうにでもなる

 目の前は国道。裏は紀勢本線という立地ゆえに騒がしそうにも思えたが、心配はいらなかった。何しろ、終電も早いし、走る車などほとんどいなくなってしまうのだから。宿代を節約したいけれども、よく眠りたいという旅人には、これほど恵まれた環境はほかにないだろう。

 夜が明けて、駅前から朝一番のバスで向かったのは「聖地巡礼」の最後である那智大社。早朝すぎて店すら開いてない=ほとんど観光客のいない風景は、またとない感慨を与えてくれる。おまけに、参拝の後に宝物館に入ってみたら、客が筆者だけなのに一生懸命解説してくれる。

1605_kumano14那智大社。「奉納品は樹木がベスト」だそうです
1605_kumano15.jpgこっちの八咫烏はカッコイイ雰囲気
1605_kumano16もうこれで南方浄土を目指してもいいかな

 この宝物館の目玉は、那智参詣曼荼羅。かつて、熊野比丘尼がこの曼荼羅を持って各地を周り那智への参拝を宣伝したというもの。なるほど、古来より荘厳な神社ではあるが、同時に一生に一度は行きたい宗教テーマパークだったことがよくわかる。

 ……と、行き当たりばったりなままに、体験してみた元祖「聖地巡礼」。ここで、読者に知ってほしいのは、ここまで体験して使用した青春18きっぷは、まだ2回分だということ。

 そう、青春18きっぷは、合計5回分。さらに、最近はLCCが充実してきたことを考えると、行けるところまで行って飛行機で戻ってくることも計画に含めることができるではないか。

 さらに重要なことは、日本国内であれば、だいたいの場所では、そのへんに寝袋を敷いて寝ても死なないということ。つまり、いくら金がなくても、やる気があれば旅などどこでもできるのだ。

 この夏、誰かに影響されたのではない自分だけの「聖地巡礼」を、ぜひ多くの人に体験してもらいたい。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

聖地巡礼ライジング: 熊野紀行

聖地巡礼ライジング: 熊野紀行

「聖地」を旅するシリーズ作

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