椎月アサミ『V系バンドの王子様が実は学 園一の美少女お嬢様なのは秘密にしてくれ』ヒロインの眼球舐めシーンに興奮! 

 さ、さすがに、この設定は無理があるだろと思ってしまうタイトルです。

 椎月アサミ『V系バンドの王子様が実は学園一の美少女お嬢様なのは秘密にしてくれ』(講談社ラノベ文庫)。

 V系バンドってことだから、美形の優男ということでしょう。すなわち、美少年かと思ったら、実は男装の美少女。いや、クールビューティーならまだしも、美少女だったらいくら男装してもわかるでしょう。しかも、本作のヒロイン・百合園萌々は、全校生徒が憧れる、お嬢様なんですから。

 読者もある程度は想像できるでしょうが、物語は、主人公が売り出し中のV系バンドのギターボーカルが実は、萌々だったことを知るシーンからスタートします。

 ここで、無理がありそうな設定を克服する説明がちゃんと行われます。「気持ちの問題」で萌々は「甘い薔薇のように咲き誇るヴィジュアル系バンドマン」と「清楚な百合のような微笑みの美少女」のどちらにもなれるというのです。てっきり、全校生徒の目が節穴なのかと思いきや、そうではないようです。

 ともかく、美少女のほうに「秘密にしてください」と懇願されることで、この妙な設定のラブコメは始まります。

 やっぱり、読んでいて気になったのは誰得感です。リアル世界でもV系バンドの主なファン層は女子でしょう。やっぱり、ラノベの読者にとっては、すごく遠い世界のような気もするのです。

 いったい、どうしてこんな作品が生まれたか? その謎は、後書きでたっぷりと記されています。なんでも、作者は中学生の時に友達から教えてもらって以来、聞いている曲の9割がV系だというではありませんか。そんな自分の好きなものを商業の場で作品にすることができた、作者の情熱には感服するばかりです。

 ネタバレしてしまいますが、作者のV系バンド好きが爆発するのは、後半のラブシーン。

 ヒロインがキスとかじゃないんです。萌々は、主人公の目のゴミを取るために眼球を舐めちゃうのです。しかも、このシーンだけでイラスト入りで6ページも費やしているという。半ば、このシーンを描きたいがために、本作が出来上がったような感触すら覚えます。

 ちなみに、このシーンでヒロインは好きなバンドの曲の歌詞に眼球舐めがあると説明しますが、後書きによれば、リアルに存在するバンドの歌詞なんだそうです。

 で、この眼球舐めを作者は経験したことないそうで、真似しないでください云々と記しています。……いや、みんな若気の至りで一回くらいは試したことあるんじゃないの?
(文=大居候)

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