“セーラーマケマケ”が登場!? 『美少女戦士セーラームーン』の新展開を最新の天文学から占ってみると……?

■セーラープルート「私はもうセーラー戦士ではない」

 そして、いよいよ(?)話題は「冥王星」に。「冥王星のまわりには、ハウメア【編注:2003年に発見】、マケマケ【編注:2005年に発見】という天体があります。こうした冥王星と似たような大きさで、似たような起動を持っている天体が見つかってきていて、冥王星が特別な天体ではないということが分かってきました。そこで、惑星の定義を考え直しましょうということで、2006年に天文研究者が集まる国際会議で、冥王星は惑星ではなく、準惑星になりました」と説明する松本氏。

 原作連載中にはまだ発見されていなかったこれらの準惑星に対し、小林氏も「ショックですね。だって、セーラーハウメアやセーラーマケマケとかがいることになっちゃいますよ。これから新シリーズをやるときは、ハウメアやマケマケが出てきちゃうわけですね」と話す。松本氏によれば、今年中にも準惑星に分類されそうな天体があるらしく、望遠鏡の精度が上がってきた昨今では、こらからもどんどん発見されていくそうだ。

 そんな話が飛び交う中、小林氏はファンが素朴に思ったであろう疑問の答えを教えてくれた。「僕、冥王星の扱いはどうなるんだろうと思って、1度、プロデューサーに相談したんですよね。もう惑星でないというなら、それを案に設定に盛り込むと面白いと一瞬思ったんです。でも、ちょっと無理があったので、やめました。つまり、セーラープルートが、『私はもうセーラー戦士ではない』というような台詞を言ったりと、現実を逆手に取って上手くいかしたいと思ったら、余計なことでした。でも、最新の天体の情報や新しい天体を、今後の『セーラームーン』に生かせたら面白いなと思ったりしています」。

 今は、セーラームーンと敵対するブラックムーンが本拠地としている太陽系第10惑星(冥王星が惑星でなくなったので、実際には第9惑星)のネメシスも、理論的にあるとする研究もあるそうだ。

 原作者の武内直子氏は、天文学者の間で天文学に明るい人物として知られているとのこと。小林氏は「おそらく、武内先生が今描かれたら、もっと違うモチーフや設定で、物語が展開されるのかなと思います」と締めくくった。

 今、六本木ヒルズでは、『セーラームーン』の歴史に触れられる「美少女戦士セーラームーン展」が開催されている。実在の天体に想いを馳せながら、展示を観てみるのも面白いかもしれない。
(取材・文/桜井飛鳥)

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■美少女戦士セーラームーン展
2016年4月16日(土)~6月19日(日)
10:00〜22:00(最終入館は21:30)※会期中無休
六本木ヒルズ展望台東京シティビュー内スカイギャラリー
http://www.roppongihills.com/tcv/jp/sailormoon/

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