内閣府が作った冊子に『絶望先生』登場で「一番受けちゃあかんだろ」「久米田っぽい」と賛否両論!?

1605_kumedanaikakuhu.jpg久米田康治 担当編集者のTwitter(@kume_tantou)より。

 今月23日、漫画家・久米田康治氏の担当編集のツイッター(@kume_tantou)が、「久米田先生が内閣府(!)から依頼を受けてイラストを描いたパンフレット」と投稿。内閣府が作成した冊子「きみに質問BOOK」の表紙を、久米田氏の代表作のひとつである『さよなら絶望先生』(講談社)が飾った画像を公開した。この冊子に対して「日本の未来が絶望的だから?」といった声が上がるなど、話題になっている。

『さよなら絶望先生』は、2005年から12年まで『週刊少年マガジン』(講談社)に連載された、久米田氏6作目の連載作品。3度のTVシリーズ化、OVAも制作された人気作だが、同作の魅力はなんといってもブラックコメディー。政治や芸能の時事ネタやあるあるネタなど、毒舌かつユーモアのあるギャグは、大笑いまでいかずともクスリとくる皮肉や毒をたっぷりと盛り込まれているのは有名。そして今回制作された「きみに質問BOOK」は、少子高齢化と人口推移について考えるための冊子。小学生用に作られたようだが、内閣府のホームページで配布され誰でも見られるようになっている。

 この久米田氏が内閣府からの依頼を受けて作成した冊子の誕生に対して、世間からは「日本の未来に絶望した!ってかww いや笑えんわ」「内閣府でかした! と初めて思った」 「久米田が政府の仕事とか皮肉効いてんな」との声が上がった。また、「安倍ちゃん久米田から馬鹿にされてんのによく依頼したなあ」「初登場シーンが自殺未遂のキャラって知ってるのかしら」「頼む方も頼む方だし、受ける方も受ける方だわ」と、発注側と受注側に疑問を持つ声も。

 また、「あの芸風は内閣府とかからの仕事は一番受けちゃあかんだろ。実際がどうであれなんだ紐付きかよって印象になって終わり」といった批判的な声と、「こういう仕事受けちゃうのがネタに見えるのもひっくるめて久米田っぽい」と肯定的な声で意見が割れている。

 肝心の「きみに質問BOOK」の気になる内容なのだが、「これからのきみと関係する日本の課題は、『人口減少』とつながっているんです。」との書き出しで始まり、「12歳『人口減少』問題」、「18歳『東京一極集中』問題」、「22歳『就職』問題」、「29歳『結婚』問題」……と続き、「85歳『寿命』問題」と、人口減少から多くの課題が生まれていると啓発するもの。ほとんどページに主人公の糸色望を始めとする同作に出演するキャラクターが登場する。しかし、特に毒を吐いたり、皮肉を言ったりするわけでもなく、淡々と日本の人口減少問題をわかりやすく紹介するといった感じだ。

 実際に読んだ人からは、「久米田ギャグがデトックスとデチューンされていて少し怖いくらい」「マリアが『日本という国はずっとあるかな?』って言うのこわい」「読んだけど、何故久米田なのだろう、何故糸色先生を登用したのだろうと気になって仕方なかった」と少し煮え切らないようす。

 内閣府はこの冊子を制作した目的を、持続的な成長・発展のための課題とその克服に向けた対応策について検討した、「選択する未来」委員会で議論された内容を誰にでも分かり易く伝わることを目指して、スピンオフ資料として作成されたものとしている。

 久米田氏の担当編集が告知した上記のツイートは26,000件を超えるリツイートがかけられ、トレンド入り。とりあえず告知は大成功したようだ。「権威に弱いとかいう自虐で一筆描くのかな」といった声もあるように、今後久米田氏がこの冊子について作品内で言及するのか注目かもしれない。

さよなら絶望先生(1) (講談社コミックス)

さよなら絶望先生(1) (講談社コミックス)

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