そして、最後は仲里依紗だ。
オーディションで選ばれた、2006年のアニメ映画版で主人公・紺野真琴(芳山和子の姪)の声を担当した当時、ファッション誌のモデルなどの実績はあったものの、女優としては無名の存在だった。
そして、この映画自体も、当初はごく小規模での公開であったにもかかわらず、口コミで人気が広がり、全国での上映に広まっていったという。
もちろん、作品の良さが認められた結果ではあるだろうが、仲の声の演技が大きく影響していたこともまた間違いないだろう。
この後、彼女はいくつもの映画に出演し、女優として評価を高めることになる。そして、2010年の実写版『時をかける少女』でも主役・芳山あかり(和子の娘)を務めることとなるのである。
以上4人の少女の作品を振り返ってきたが、彼女たちが主演を務めた状況には共通点がある。
皆、女優として輝いていくことを期待されていたということ、そして、この作品をきっかけに大きく羽ばたいていったということだ。
当然、映画の配役は、オーディションなども含めて、制作側が決めている。しかし、アイドルとして成功し、スターになるほどの人は『役を呼び寄せる力』を持っているものだ。
その意味で、彼女らがそれぞれの『飛翔』の時期に、時をかける少女を演じたというのは、運命的なものだったのではないだろうか。
アイドルを見ることの醍醐味は『成長の瞬間を見届けられる』ことだ。
その意味で、この作品ほど最高のステージはない。ここでもまた『時をかける』という言葉がキーワードになる。
物語の中の彼女たちは、映像の中だけに存在し、決して現実の世界に現れることはない。しかし、それは絶望などではないのだ。
『時をかける少女』が新たに作られ続けることの意味──【少女による時間飛翔論】のページです。おたぽるは、映画、マンガ&ラノベ、出版業界事情、ドラマ、黒島結菜、時をかける少女、仲里依紗、内田有紀、南野陽子、原田知世、プレヤードの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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