それでは、女優別の考察に入る。まずは、1983年公開の映画版に主演した原田知世だ。
彼女は、前年に行われたオーディションをきっかけに芸能界入り。同年、テレビドラマ『セーラー服と機関銃』『ねらわれた学園』に主演するなど、かなり恵まれたデビューであった。
しかし、言うまでもなくここに挙げたドラマは、いずれも薬師丸ひろ子主演で先に映画化されたものであり、原田知世は彼女に次ぐ“二番手”というイメージであった。
さらに、この『時をかける少女』自体が、薬師丸ひろ子主演の映画『探偵物語』の併映作品であり、メインはどちらかというと『探偵物語』の方であった。
ところが、上映が始まってみると『時をかける少女』と原田知世の方が話題となり、後々長く愛されるロングヒット作品となったのである。
周囲の想定を超えた魅力が、この映画を通して原田自身から生まれてきたということの証左となるであろう。
次に、南野陽子主演のドラマ版である。
この作品はフジテレビの『月曜ドラマランド』の枠で単発で制作された。内容的には、この枠で多く見られたコメディ要素が強いものであり、いわゆる『アイドルドラマ』であったと記憶している。
南野陽子といえば、『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』が出世作であるが、その第1話が放送されたのが1985年11月7日、『時をかける少女』の放送が同年11月4日。まさに、彼女のブレイク前夜(わずか3日前!)に放送された作品なのである。
その後、彼女は歌手、女優として大成し、現在も芸能界で活躍している。
続いては、連続ドラマとして作られた内田有紀の場合。
彼女にとって、この『時をかける少女』は、初めて連続ドラマの主演を務めた作品である。
当時、すでにある程度の人気を得ていたものの、女優としての魅力を強く印象付けたのはこのドラマであったと思う。
1994年2月から3月にかけ、全5話で構成され、映画や単発ドラマに比べ時間も長いことから、多くのエピソードをじっくりと見せてくれるような作品だった。
彼女は、この年の10月にCDデビューし、オリコン1位を獲得。多くのドラマにも主演し、人気を獲得していくことになる。
『時をかける少女』が新たに作られ続けることの意味──【少女による時間飛翔論】のページです。おたぽるは、映画、マンガ&ラノベ、出版業界事情、ドラマ、黒島結菜、時をかける少女、仲里依紗、内田有紀、南野陽子、原田知世、プレヤードの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載