トッププロ囲碁棋士撃破で勢いを増すグーグル製人工知能、次に目指すは恋愛小説家!?

1605_google.jpg「Quartz」より。

 世界トップ囲碁棋士を撃破してノリノリ(!?)なGoogleの人工知能が今度は恋愛小説家を目指している?

■2,865冊ものロマンス小説を読破したAIが恋愛小説家に!?

 先日、人工知能が書いたという小説が短編文学賞である「星新一賞」の第一次選考を通過したというニュースが話題を呼んだ。実際のところは、人間側が小説のテーマやプロットを決めてから人工知能に“執筆作業”を担わせたということで、最後の“清書”を含めて作業の8割方は人間が行なったということだが、それでもついに小説の分野にまでAIが進出し、現状でもそこそこの成果をあげているのというのは驚きだ。

 これに刺激を受けたわけではなさそうだが、人工知能開発の雄、Googleからは将来、“恋愛小説家AI”が登場するかもしれないというから興味深い。普通の小説家ではなく、ロマンチックな表現が多い恋愛小説家タイプのAIだというのだ。

 そもそもGoogle(Google Brain)ははじめから小説家AIを開発しようと意図していたわけではない。人間との間でより自然な会話ができる高性能会話ロボットを開発していたのだ。

 自然な会話とは何か? それは相手が話したことについて、関連のある内容で返答する能力であると、まずは定義された。定義した後は、人工知能へ膨大な数の会話例をひたすらインプット。具体的には2,865冊ものロマンス小説を人工知能に読破させたのだ。わかりやすい文章で、しかも機微に通じた男女の会話が多いことから、ロマンス小説が選ばれたようだ。

 ロマンス小説を学習することで、徐々にこの人工知能は人間の語りかけに対して“自然な”返答ができるようになってきたわけだが、その課程で興味深い出来事が発見されることになった。人工知能に2つの異なった内容の文章を与えると、その間のつじつまを合わせようとして挿入文を作りはじめたのだ。

 説明するよりも実例をご覧になったほうが理解は早いだろう。最初と最後の太字の文は人間が出題したもので、その間にある文は人工知能が作成したものだ。

 「あなたと話しがしたい」(“i want to talk to you.”)
 「あなたと一緒にいたい」(“i want to be with you.”)
 「あなたと一緒にいたくない」(“i don’t want to be with you.”)
 「あなたと一緒にいたくない」(i don’t want to be with you.)
 「彼女は彼と一緒にいたくなかった」(she didn’t want to be with him.)

 ロマンス小説の“別れ話”がもち出されるシーンが想定されているのかもしれない。「あなたと話しがしたい」という会話文から、「彼女は彼と一緒にいたくなかった」という結末の間を、人工知能が“物語”で埋め合わせたということになるのだ。

■さらに大量の小説を読んで学習中の“恋愛小説家AI”

 予期せぬところから“恋愛小説家AI”の道が拓けたことで、この人工知能(人工神経ネットワーク)にさらに小説を読み込ませ、現在その数はなんと1万1000冊にものぼっているという。そして先ほどのように2つの異なる文を与えてみると、人工知能はさらに長い“物語”を書くようになったのだ。

 「この世には誰もいない」(there is no one else in the world.)
 「誰の姿も見えない」(there is no one else in sight.)
 「それらは唯一の重要なものだった」(they were the only ones who mattered.)
 「それらは唯一残されたものだった」(they were the only ones left.)
 「彼は私と一緒でなければならなかった」(he had to be with me.)
 「彼女は彼と一緒でなければならなかった」(she had to be with him.)
 「私はこれをしなければならなかった」(i had to do this.)
 「私は彼を殺したかった」(i wanted to kill him.)
 「私は泣きはじめた」(i started to cry.)
 「私は彼のもとへと向かった」(i turned to him.)

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