『妊婦性活』(ミサキ闘)岩手県から上京…苦節十余年の「まんが道」が遂に結実!

 18禁単行本なのに、もっともグッとくるのは2ページの後描きマンガだった、ミサキ闘『妊婦性活』(三和出版)。

 なぜ後描きが、グッとくるのか。2ページを使って作者は、マンガ家になるんだと岩手県から決意して上京して来たこと。初めて住んだ西武線野方駅近くのアパートのこと。いろいろなバイトで出会った人々のことなど、青春の思い出を書き綴るのである。

 上京した頃を「ネットのない時代」と書いているわけだから、苦節十余年。ようやく、作者のミサキ闘氏は、今回初の単行本を出版するに至ったのである。

 青春時代の苦労もようやく報われたうれしさ。ミサキ闘氏の「まんが道」に多くの人は涙するであろう!

 ただし、青雲の志が「どうしてこうなった?」という疑問と共に。

 何しろ、青春の苦労の果てにようやくたどり着いた単行本は、タイトルそのままに、ほぼ全作品でボテ腹と妊娠を描いているのだから。もしや、作者自身の「まんが道」は、紆余曲折を経て、ここに至ったのではあるまいかとも思った。でも、どの作品を読んでも、どうにかマンガ家になりたくて仕方なくエロを描いている感など微塵もない。むしろ、嬉々として描いているのが伝わってくる。作者自身の「俺が描きたかったのはこれだ!」という情熱と、読者に徹底的に興奮してほしいという想いが、作品中には充ち満ちているのだ。

 作者の情熱と実力を如実に示すのは、ボテ腹や妊娠をテーマにしながらも、物語の方向性が多様なことである。収録作の一編「雪に滲んだ妊娠線」では、生活のためにボテ腹で売春する貧しい女子校生とその弟との相姦を、フォークソングでも流れそうなタッチで描く。

 かと思えば「マタニティチャット」では、出産費用を稼ぐためにエロチャットで稼ぐ、ちょっと頭のユルそうな女子校生を。かと思えば「深窓の令嬢は絶倫妊婦」では、清楚に見えて実はビッチなお嬢様をヒロインに据えて、クラブでNTRボテ腹乱交を。かと思えば「アナタノ子供ヲ孕ミタイ」では、ついにヒロインが、ウェイトリフティング部の部室で、乱交しながら出産絶頂までしてしまう。

 勢いに圧倒される単行本だが、とりわけ特徴的なのは、編集部の提案で作者のデビュー作と初投稿作を掲載していることである。正直、現在の作風と同じ作者とは信じられないくらいに物語は凡庸で、絵も興奮する要素がまったくない。そこから、現在へどのような理由で突然変異を遂げたのか、余計に作者自身に注目してしまう。それを意図して過去作を収録したのであれば、編集者の判断は見事としかいいようがない。

 作者が野方の六畳一間でずっと「俺は、妊婦で天下をとってやる」と情熱を燃やし続けてきたのだと思うと胸アツである。
(文=ピーラー・ホラ)

妊婦生活 (SANWA COMICS No.)

妊婦生活 (SANWA COMICS No.)

後描きマンガが気になる……

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