『実況パワフルプロ野球2016』実在プロ野球選手の能力値を、ざっくりプロに見てもらった「あの選手がAで、なぜこの選手がBなの!?」<パリーグ・後編>

『実況パワフルプロ野球2016』実在プロ野球選手の能力値を、ざっくりプロに見てもらった「あの選手がAで、なぜこの選手がBなの!?」<パリーグ・後編>の画像1『実況パワフルプロ野球2016』公式サイトより。

 昨日に引き続き、PS4/PS3/PS Vita対応で発売された『パワプロ』シリーズの最新作『実況パワフルプロ野球2016』(以下、『パワプロ2016』/コナミ)における、実在プロ野球選手の能力値を、プロの野球ライターに見てもらうという、野球とゲームの両方が好きな人だけに送る企画の第2弾<パリーグ編>。

 いよいよ、昨年の日本一・ソフトバンクホークスも登場とあって、能力値が高い選手が多く、さらに見応えたっぷり。野球ライターとして各誌での原稿執筆のほか、『球辞苑』(NHK-BS)や『村上信五とスポーツの神様たち』(フジテレビ系)などにも出演するキビタキビオ氏が、飲み物をビールからハイボールに切り替えつつ、PS Vita片手にざっくりと査定してくれた。

・千葉ロッテマリーンズ

―― 今年はすごく好調な涌井が開幕でした。

キビタ 投げるボールだけではなく、フィールデングの上手さも表現されているのが、らしくていいなと思います。本当上手いですからね。

―― 目立つ新規加入投手だとスタンリッジもいます。

キビタ もうちょい全体的に能力を上げてあげてもいいと思います、スタミナC、コントロールEか……ただ、これは開幕してからこっち、今シーズンの調子がいいからよりそう思っちゃうのかな。去年の成績からすると、妥当なのかもしれません。

―― 野手で注目したい選手はいますか?

キビタ デスパイネ。あ、もちろん出遅れたナバーロもいろんな意味で気になりますけど(笑)。デスパイネはパワーは79でB、ミートは49でEか。う~ん、昨年の打率が.258ですからDでもいいじゃないかと思うけど、この辺はバランスなのかもしれませんね。キャプテンの鈴木大地は、捕球がC以外はものの見事にオールD(笑)。

―― もっといい選手だろと思いますけど、数値化すればこんなもんかなという気もする不思議な選手ですね。

キビタ そうですね。キャプテンシーはあると思うんですけど、性格的にワイワイやるタイプでもないから、ムードメーカーもつけづらいでしょうし……キャプテンや選手会長とかが、特殊能力として実装されるといいかもしれない(笑)。

―― その鈴木のショートの座を脅かすかも!? と期待されたルーキー・平沢くんはどうでしょう。

キビタ 2軍でガンガン打っていますからね。そのうち上がってくると思いますよ(収録後、5月になって一軍登録)。ミート28のFは、切りよく30でも良かったかなと思いますけど、走力・肩力でCもらっていますし、高卒なら上出来かと思います。ただ、さっき見た楽天のオコエの能力値を見ると、全体的にちょっとかわいそうかなと思いますが(笑)。

・日本ハムファイタイーズ

キビタ なんと言っても大谷。まず投手としての能力を見てみると……球速161キロ、コントロールD、スタミナA。ノビもついてますね。

―― 個人的には、大谷のストレートにノビをそれほど感じないんですが。

キビタ どうだろう、たしかに全盛期の藤川(阪神)みたいに、浮き上がってくるような感じはありません。でも結構、三振取れていますから。同じ160キロ台でもかつてのクルーンなんかは結構当てられていましたけど、去年の大谷は狙ったところで三振取れていたから、ノビがあってもいいんじゃないかな。

―― バッターとしてはどうでしょう。

キビタ ミートF、パワーB、肩力A。肩はSじゃないのか……。大谷はやっぱりいろいろ無茶できないので、盗塁は滅多にしませんが、脚は結構速いんです、二塁打・三塁打を打ったときなんかは相当速いし、一塁まで最速で4.1秒ぐらい。これは、彼の大柄な体格を考えると結構速いタイムなんですよ。とはいえ、全盛期のイチローは3.7秒くらいで、今でも3.9秒くらいで走りますし、俊足を一番の売りものにしている選手であれば大体4.0秒を切ってくるから、めっちゃ速いというわけではない。走力Cというのは大体妥当かなと思います。

―― ほか注目野手というと?

キビタ 近藤でしょうか。捕手・三・外で、ミートがB。さすがに高いですね。肩もいいし、充分すぎる能力値だと思います。主砲・中田翔はパワーA、ミートD、弾道4はさすがですけど、投手能力はもうないのか(笑)。コントロールG、スタミナG、球速120キロ。野手のデフォルトか……今でも135キロぐらいは出るだろうし、変化球も結構投げられそうですけどね(笑)。

―― 高校時代は最速151キロ右腕でしたものね。日本ハムで最近人気というと、杉谷とかいかがですか?

キビタ 走力A、ミートC、両打ち、肩力C……うん、こんなものじゃないでしょうか。結構ファールで粘れるタイプなので、粘り打ちもほしかったかも。あと注目してほしい選手で、岡もいい意味で規格外の選手で面白いですよ。

―― ミートF、パワーD。走力Sがスゴイですね。

キビタ 本当は肩C、守備力Eももっと上でもいいかな。あと日本ハムは最後にハンカチ王子・斎藤を見ておきましょう……予想以上に真っ赤ですね(笑)。

―― 対ピンチG、対左打者G、打たれ強さF、一発、乱調などがついてます。

キビタ 球速147キロも、もう出ないでしょう。フォーク3は納得ですけど、スライダーではなくてカットボールがついているのか……彼の数値を見ると、細かく見られて、細かく査定されているなと感じますね。新人や新外国人選手のように、「よく知らない選手だからこれぐらいかな?」というファジーなさがないあたりに、やはり何だかんだで人気選手なんだなと思います。

・ソフトバンクホークス

―― さあついにラスボスです。開幕は摂津でしたが……。

キビタ 調子が上がらなくて、とうとう2軍へ落ちてしまいました。コントロールDは悲しいですけど、成績を見るとしょうがない。摂津は社会人を経て入団したので、意外と年齢がいっているので(82年生まれ)、ここからは年齢との戦いになってくるんでしょう。社会人のときから評価が高かったんですけど、年齢がネックで、他の球団が手をこまねいていたところを、ソフトバンクが獲得した選手です。摂津の活躍がきっかけで、「社会人のエース級でいい投手だけど、ちょっと年齢が高いし、本人もプロに来たがらないだろう」という選手が、「俺たちもプロでいけるかも」と希望を持てるようになったし、球団側も指名するようになった……という流行がありました。頑張ってほしい選手です。

―― ホークスのエース級ピッチャーというと、今はバンデンハーグでしょうか。

キビタ 球速155キロ、勝ち運がついていますから、開幕前だとこんなものなんじゃないでしょうか。一つ楽しみだったのが和田です。久々に日本へ帰ってきて、能力をはかりづらい環境だったわけですから、どんな能力がついているのかなと。

―― 球速146キロとなっていますね(笑)。

キビタ そんなに出ないよ(笑)! これは盛りすぎ。キレ、球持ちがついているのは分かるんだけど……より正確に再現するのなら、球速を138ぐらいに抑えて、かわりに球持ち○を二重丸をしたい。まぁしょうがないか……。

―― 続いて野手ですが、さすが能力が高い選手ばかりです。

キビタ まずは柳田から……って、スゴイなこれ! A・S・A・A(ミート・パワー・走力・肩力)!

―― パワーは12球団でトップみたいですね。

キビタ あとはやはり4番の内川は気になりますが、ミート60でC!? これは厳しい! 去年は打率も3割切ったので、数字的にはしょうがないんでしょうけど、右バッターとしては現状、山田(ヤクルト)と内川の2人が球界最高峰。内川が長年にわたって蓄積してきた理論や技術は、すごく高く評価されているんですけどね。

―― あと、個人的にはホームラン数は松田のほうが多いのに、パワーは柳田が上なんだなと思いました。

キビタ ああ、でもそれはホームランの平均飛距離などのデータがあるんじゃないでしょうか。これも技術だと思いますが、松田はテラス席へのホームランも多かったですし。松田はお祭り男がついているのがうれしい。あと注目したいのは今宮の守備力Aでしょうか。肩力もAもいいですね。

―― 最後に、各能力値の数字が特に高かった選手を見ていこうかと。投手の球速は、トップが大谷と分かりやすいので、野手のミートから。秋山(西武)・柳田(ソフトバンク)・川端(ヤクルト)の3人がAです。

キビタ これはほぼ打率順なんでしょう。ですから、あまり付け加えることもないかな。

―― パワーは前述のとおり、柳田のみS。続いて中村(西武)、松田(ソフトバンク)と続きます。

キビタ う~ん、これもホームラン数をベースにしているんでしょうね。細かいことをいうと、中村は技術でホームランを打つタイプで、単純に筋力がすごいわけではないんですよ。弾道という数値もありますけど、この辺は感覚的なものもあって、すごく数値に落とし込むのは難しい。ゲームとして数値で表すのなら、こういった順番になるのかなとは思います。

―― 走力はSが6人もいます。トップは藤村(巨人)。

キビタ あ、これはかなりいいデータだと思います。藤村は打ってから一塁までの到達タイムが、3.8秒を切ってきますからね。めちゃくちゃ速いんですよ、まっすぐ走るのも、盗塁もうまいし。

―― 肩力Sは3人。駿太(オリックス)、糸井(オリックス)、藤井(中日)となっています。

キビタ この3人が強肩であることに異論はありませんが、雄平(ヤクルト)がトップ10に入っていないのがちょっと……レーザービームはついてますけど。あと、やっぱ、ランキング上位にバレンティンがいるのはおかしい(笑)! 雄平とバレンティンを取り違えているんじゃないかと思うほどです。

―― ラスト、守備力です。1位は貫禄の菊池(広島)、続いて岡田(ロッテ)、藤田(楽天)です。

キビタ ああ、これは納得ですね。うん、特に言うことないです。

―― さて、キビタさんもこの『パワプロ』や『ファミスタ』など、野球ビデオゲームで遊んできたと思いますが、今回は改めてマジマシと数字を見てみていかがでしたか?

キビタ いろんな能力を細かく数字で表現しているのは知っていましたから、特別驚いたということはないです。ただ、全体的な傾向として、インパクトある選手にはインパクトある能力がつけられていて、知る人ぞ知るすごい選手、みたいなタイプの選手にはそれなりの数字しかつかないんだなと感じました。だからこそ、オコエみたいなインパクトがある選手だと、新人でもそれなりにインパクトのある能力値になる。仮に同じぐらいの能力を持っていても、情報として発信されてないと評価しづらいんでしょうね。ですから、もし細かい数字が欲しいということなら、いつでもストップウォッチを持ってはせ参じますよ、とお伝えしたいです(笑)。
(話し手・キビタキビオ(フリーライター&編集者))

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