【特撮・特撮&ロック】

モノブライト出口博之の特撮自由帳(1)『仮面ライダーゴースト』

 タケルは自分の心の在り方が正しくなければ、復活することができないのです。

「死」をテーマにしている作品はとかく悲観的で殺伐としがちですが、仮面ライダーゴーストは非常にポジティブな空気を持っています。そのキーマンは、やはり天空寺の住職代理、御成(おなり)でしょう。

 当初からアクの強い、極端な言い方をすると「ウザいくらいうるさい」キャラクターでコメディリリーフの役割を見事に果たしていますが、御成には他のコメディリリーフとは違う独特の存在感があります。御成の職業は普段から極めて「死」に近い場所であることから、どんなに騒いでいても達観しており物事を大局的に見ています。仏門に入り修行することは「心の迷い」に惑わされず仏の導きを信じ、その教えを後世に伝えていくこと。
「人生の意味」「命の在り方」そして「死について」。

 生まれた瞬間から誰でも「死」はいつか絶対に訪れる。普段の御成は檀家に死を恐怖の対象ではなく「じゃあどう生きるのか?」と説いている存在です。
 第27話では、自分を襲ってきた敵(ジャベル)が満身創痍で襲いきれなかったことを受け、食料と治療薬を提供、何故助けるのか?の問いに「慈悲こそ仏の教え。昔は色々あったが、人の優しさに触れて変わった」と、生き方を見つめ直した過去が語られています。ほとんどの場合、このような言葉を説得力を持って言えるキャラクターは登場人物の中で年長者に近い者ですが、住職代理を勤める御成だからこそ。コメディリリーフながらも生き方を適度な距離感で説法し体現できる御成は、作品を象徴した存在とも言えるのです。

「死について」の答えは、誰にもわかりません。わからないから人は迷い、焦り、自分を見失います。仮面ライダーゴーストは「死について」を「自分と誰かのために精一杯生きること」で描いています。
 特徴的なキャッチコピー「命、燃やすぜ!」には、そのすべてが集約されていると思うのです。

 駆け足でしたが、これまでの仮面ライダーゴーストについてでした。
 物語も中盤を過ぎ終盤に向けて歯車が加速していく段階に入り、ますます目が離せない場面の連続。これからも、命燃やして、追いかけたいと思います。
(文・モノブライト出口博之)

■モノブライト公式サイト
http://www.monobright.jp/

・新ツアー「Bright Ground Music ~B.G.M~ Tour」開催決定
 6月9日(木)札幌 BESSIE HALL(OPEN 18:30 / START 19:00)
 6月15日(水)梅田 CLUB QUATTRO(OPEN 18:15 / START 19:00)
 6月17日(金)恵比寿 LIQUIDROOM(OPEN 18:15 / START 19:00)
※前売 ¥3,500(税込み・DRINK代別) ※全公演共通、5月7日10時より一般発売!

Bright Ground Music

Bright Ground Music

先月19日に発売されたばかり

モノブライト出口博之の特撮自由帳(1)『仮面ライダーゴースト』のページです。おたぽるは、人気連載特撮その他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

PICK UP ギャラリー
写真new
写真
写真
写真
写真
写真

ギャラリー一覧

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!