【特撮・特撮&ロック】

モノブライト出口博之の特撮自由帳(1)『仮面ライダーゴースト』

1605_gohst.jpg『仮面ライダーゴースト』公式サイトより。

 いや、これがもうミスリード中のミスリード。誰が「一年かけて99日の復活を描く」と言いましたか? 東映ですか? バンダイですか? いいえ、私の早合点、大いなる勘違い。

 とんでもないスピードで駆け抜けた序盤は12話で主人公タケルの「一度消滅→死後の世界で受け取ったお父さんのパワーで復活」を経て期限の99日がリセットされ、第1シーズン終了。

 12話である意味「最終回」を迎えているので、序盤にもかかわらず「最終回直前かよ!」と感じていたテンションのインフレは当然のことだったわけです。
 登場人物の行動原理、フォームチェンジ、ガジェット、戦う理由、そして作品の世界観の下地を1クールでまとめる(この段階でもまだ謎は多く残されている)ことにより疾走感と作品への没入感を高め、作品の本筋である13話以降へ橋渡ししているのです。

・生き方と心のゆくえと、「死」の在り方
 期限が99日に戻った12話を終え、突入する13話以降の展開は、「人間の世界」と、序盤でも語られていた「眼魔(がんま)の世界」、この二つの世界を軸に眼魂の争奪戦が展開されます。眼魔の世界は徹底的な管理、統率により個を排する「完璧なる調和」がなされた世界です。他人と係わり合い、互いの違いを認め合いながら個を確立し高める人間の世界と、調和の名の下に個の意識を排除したシステマティックな眼魔の世界。

 ここで語られる「個」に、『仮面ライダーゴースト』の特異性と面白さの本質が見えます。
 変身用ガジェットであり、作品の象徴的なキーアイテムになっている眼魂。
 眼魂には歴史上の偉人の魂が宿っています。過去にも意識を持ったガジェットが登場しますが、違う点は「英雄と称される偉人」であること。

 眼魂に宿る偉人で特に有名な人物を挙げると、宮本武蔵、エジソン、ニュートン、織田信長、坂本龍馬、ロビンフッド、武蔵坊弁慶、卑弥呼、ベートーベン、ツタンカーメン、三蔵法師。本編、劇場版ではまだまだ登場しますが、100人中100人が知っている歴史上のスター人物を挙げているのであしからず。

 12話まではこの偉人の魂が宿った眼魂を集めて戦いのために使用することが中心でしたが、13話以降はタケルと眼魂の偉人との係わり合いが描かれます。
 眼魂にも意思があり、その上でタケルを手助けしますが、彼の心の在り方や行動を認めなかった場合は問答無用で協力関係を破棄(23話)してしまいます。

Bright Ground Music

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先月19日に発売されたばかり

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