妙に弱気な東宝の業績見通し……2016年の東宝の命運は『シン・ゴジラ』に託された!?

2016.05.06

映画『シン・ゴジラ』公式サイトより。

 4月30日~5月1日の映画興行収入ランキングで、『名探偵コナン 純黒の悪夢〈ナイトメア〉』が土日2日間で動員約49万人、興収約5億6,000万円(興行通信社調べ)をあげ、3週連続1位を獲得!

 一方、全国327館で公開を迎えた『テラフォーマーズ』は、動員約12万8,000人、興収約1億5,0000万で第7位と、案の定な滑り出しを見せた。広瀬すず主演『ちはやふる −下の句−』動員約19万3,000人、興収約2億1,600万円。3月19日公開の『ちはやふる –上の句−』の初週は、動員約14万6,000人、興収約1億7,900万円だったので、かなりの上方修正となった。これはすごい。

 今週も6位に入った『アイアムアヒーロー』、6週目なのに10位と粘りを見せた『暗殺教室~卒業編~』と、最近はコミックを原作とする作品も手堅くまとめてきている印象のある東宝。実際、印象だけではなく数字にも表れているようだ。

 東宝は4月14日に発表した前2016年2月期の本決算で、売上高に当たる営業収入が2,294億円(前期比10.9%増)、営業利益が407億円(同28.2%増)。当期純利益も258億円と、2期連続で過去最高を更新したことを発表。特に興行収入約78.2億円の『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』、約58.5億円の『バケモノの子』といったアニメ作品のヒットが大きく貢献した。やはりここ最近の東宝は好調だったのだ。

 だが、決算発表と同時に開示した17年の業績予想では営業収入が2,167億円(前期比5.5%減)、営業利益が330億円(同18.9%減)の減収減益の見込みと、妙に弱気。これは何故……と思うが、これは15年では洋画のヒット作も続いたため。

 15年国内映画の興行収入では、『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』をも上回った『ジュラシック・ワールド』を筆頭に、『ミニオンズ』などが頑張ったほか、他社の配給作品だが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』といった大ヒットもあり、映画館収入も伸びたのだとか。それに比べて2016年公開の洋画ラインナップには、そこまでのヒットを見込める作品はない、ということらしい。

 とはいえ、『名探偵コナン 純黒の悪夢』は興行収入50億を窺う気配、『ちはやふる』上下も好調で続編の製作が決定、さらに『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』や『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』といったあたりも手堅く好成績だし、なんと言っても7月29日には、いろんな意味で期待の『シン・ゴジラ』の公開も控えている。興行成績は水モノかもしれないが、弱気な業績予想をゴジラには吹き飛ばしてほしいものだが、果たして――!?

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