小松菜奈のアンバランスな魅力にハマる! 福満しげゆき原作コミックの実写映画化『ヒーローマニア 生活』

heromania01

 自意識過剰すぎる漫画家と九州弁で話す元ヤンな年下妻との日常生活を細やかに描いた『うちの妻ってどうでしょう?』(双葉社)で知られる福満しげゆき原作のコミック『生活 完全版』(講談社)が、『ヒーローマニア 生活』として実写化された。福満作品のファンである豊島圭介監督がWOWOWの深夜ドラマ『ホリック』(13)にも起用した東出昌大の主演作として映画化したもので、窪田正孝、小松菜奈ら若手人気俳優に加え、片岡鶴太郎、船越英一郎らベテラン陣が脇を固めた好キャスティングとなっている。

heromania02

『ヒーローマニア』はいわゆる“なりきりヒーロー”もの。正義のヒーローに憧れるヘタれな主人公たちが、身近な素材を使って街にはびこる悪いヤツらに鉄槌を下すというアクションコメディだ。それって、『キック・アス』(10)や『スーパー!』(11)のパクりじゃんと思う人もいるかもしれないが、原作コミック『生活』の連載が「アックス」(青林工藝舎)で始まったのは2005年であり、ほのぼの系日常エッセイ漫画家と呼ばれることから脱しようとする若手漫画家時代の福満しげゆきが初の長編ストーリーに挑んだ独自色の強い内容となっている。

 冴えないフリーター、下着泥棒、地味なメガネ女子高生、定年間近な初老のサラリーマンたち4人が出会い、サークル感覚で自警団を結成。夜な夜な変態野郎や不良たちを吊るし上げたところ、思わぬ人気を博してしまう。調子に乗って会社組織にしたものの、当初の純粋な正義感(そして日常の鬱憤晴らし)とは大きく異なる方向へと転がっていくことになる。好きで漫画家になったけれど、商業デビューを果たして連載を持つようになると、締め切りに追われ、雑誌編集者との関係性に左右され、ただ描きたいものを描くという初期衝動をキープしていくことが難しくなる。そんな原作者のリアルな嘆きが投影された物語でもある。

 身長は高いけど、どこかヌケている自警団“TEAM TURUSHI-MA”のリーダー・中津に東出昌大、人並はずれた運動神経を持ちながらも下着泥棒としてしか能力を発揮できずにいた土志田に窪田正孝と、イケメン男優が普段は縁のない変キャラを嬉々として演じている。自警団ものの先駆作『タクシードライバー』(76)のトラヴィスばりに、袖に武器を仕込んだアブないサラリーマン・日下を演じた片岡鶴太郎もいい感じだ。そして、そんな男たちに交じった紅一点・カオリ役の小松菜奈がひときわ輝きを放っている。緑色のジャージ姿に三つ編みヘア、さらにメガネという色気をまるで感じさせないドブスファッションなのだが、小松菜奈が着こなすとアーラ不思議! とてつもなく魅力的に映り、彼女の一挙手一投足から目が離せなくなる。カオリをメインにした別バージョンを編集してほしいと思うほどだ。

小松菜奈のアンバランスな魅力にハマる! 福満しげゆき原作コミックの実写映画化『ヒーローマニア 生活』のページです。おたぽるは、映画その他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!