マンガはまだまだ売れる!? 出版不況の荒波を迎え撃つカリスマ書店員“仕掛け番長”に訊く「マンガの売り方」

■気付いてさえもらえればこれからもマンガは売れる

1604_kurimata_03.jpgTSUTAYA 三軒茶屋店では6月12日まで、『め組の大吾』『カペタ』『テンプリズム』などを描いた曽田正人先生の原画展を開催している。

――最後に、今出版不況と言われている中でも栗俣さんの活動は“挑んでいる”動きだと思うんですが、これからまた挑戦していきたいことはありますか。

栗俣 はい。いろいろお声がけさせていただいて、夏くらいに書店業界が驚くようなちょっと大きなニュースを発表できると思います。もう1つ、今年中には文庫でやっていた復刊プロデュース企画のマンガバージョンも動き出します。

――すでに書店員の枠を越え、プロデューサー的な動きですね。ではズバリ、紙が売れなくなりWEBでマンガが自由に読める時代に、これからも紙のマンガは売れると思いますか?

栗俣 売れます。今、WEBコミックの単行本化って多いじゃないですか。でも、実はWEBでヒットした作品は紙でヒットしない、っていうのがあるんですよ。じゃあソレはなぜかというと、表紙とかパッケージ、装丁の見せ方と売り出し方が失敗しているからなんです。ココの部分を復刊文庫のやり方と同じように、書店の知識からコンサルしてあげると恐らく相当売れるものができます。面白いことに、三軒茶屋店でも新たに始まったコミックレンタルを利用してる人とWEBコミックを読んでる人っていうのは実は層がカブっているんですけども、じゃあそこの層と紙のマンガを購入してる人がカブっているかというとまったくカブってないんですよ。

――まだ開発の余地があるというわけですね。

栗俣 そうなんです。紙のマンガを定期的に買う人はもういて、WEBコミックが流行っていこうと、ここは絶対いなくならない層なんです。その一方でWEBコミックの人たちですが、紙へ引き抜くことは実は少しずつではあるんですけど、できていっています。なので、マンガは紙媒体として残り続ける、と確実に思っています。

――WEBマンガは無料で読めるから紙の方が売れないって考えがちですけど、そうじゃない売り方があるんですね。

栗俣 そこの層は別々なんで、単純に当て方が違うだけなんです。読者への当て方さえ変えれば売れます。だって、数多くあるWEBコミックを全部チェックできてる人が実際どれだけいるのか? っていう話なんですよ。正直、WEBコミックで書籍化されたものは売れてないものも多いけれども、気付いてもらえれば売れるようになります。“衝動買い”を誘発することは簡単にできるはずなんです。
(取材・文:ノグチアキヒロ、写真:荻窪番長)

●栗俣力也(くりまたりきや)
TSUTAYAに在籍する書店員でありながら「三茶コミックライブ」「文庫復刊PJ」「仕掛け文庫プロデュース」「コミック1巻目サイン本フェア」などを企画。数々のマンガ・文庫での仕掛け販売を成功させ、“仕掛け番長”と呼ばれる。2016年4月8日にリニューアルオープンしたTSUTAYA 三軒茶屋店にて自身初となる売り場全面プロデュースを行ったコミックコーナーを展開中。T.M.Revolution西川貴教と松井玲奈がメインMCを務める番組『AniMaGa』(TOKYO MXなど)でマンガの回に出演。コミック紹介本「仕掛け番長プレゼンツマンガ担当書店員が全力で薦める本当に面白いマンガはこれだ!」発売中。
Twitter:https://twitter.com/maron_rikiya

●TSUTAYA 三軒茶屋店
〒154-0004
東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー2F
【営業時間】朝10時~深夜2時。年中無休。
【電話番号】 03-5431-7788
・ホームページ:http://store-tsutaya.tsite.jp/storelocator/detail/2214.html
・Twitter:https://twitter.com/T_SANCHYA

ドルメンX 1 (ビッグコミックス)

ドルメンX 1 (ビッグコミックス)

2.5次元舞台オタは必見かも。

マンガはまだまだ売れる!? 出版不況の荒波を迎え撃つカリスマ書店員“仕掛け番長”に訊く「マンガの売り方」のページです。おたぽるは、インタビューマンガ&ラノベ出版業界事情の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!