ディズニーのアーティストが『となりのトトロ』のアトラクションを“非公式”で企画立案!?

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「Kotaku」より。

　ディズニーのデザイナーが余暇を見つけて、描きあげたというテーマパークのデザイン画が話題だ。なんとそこに描かれていたのは、『となりのトトロ』の世界をモチーフにしたアトラクションである。

■『となりのトトロ』のライド系アトラクションを構想

　浅草などと並んで東京観光の目玉のひとつになっているのが、ご存知「三鷹の森ジブリ美術館」だ。国内海外問わず多くのアニメファンが、ここをお目当てに東京を訪れるだけあって、週末などの予約はチケットの発売開始早々すぐに埋まってしまうという人気ぶりだ。このジブリの“聖地”に何度も行ったことがあるようなファンが時折夢想するのが“ジブリランド”ではないだろうか。

　そんな大のジブリファンが、なんとディズニーの中にもいた。ディズニーの『ライオンキング』や『アラジン』などに携わった経歴を持つ社内アーティストのジョン・ラミレツ氏である。ラミレツ氏はディズニー映画ばかりでなく、これまでテーマパークのデザインも手がけたキャリアを持っているという。

　Instagramでは「johnram27」と名乗っているラミレツ氏が、あくまでも個人的な余暇活動としてデザインしたのが、1988年の宮崎アニメ『となりのトトロ』をモチーフにしたライド系アトラクションの「Totoro ride」だ。

　アトラクションのデザイン画をよく見てみると、入場客はドングリ型のシートに座っていくつかの部屋を巡る構造になっている。引っ越したばかりの郊外の日本家屋の一軒家から“冒険”がはじまり、父親の仕事部屋を抜けて裏庭に出たところで、草むらの中にあった不思議な“入口”を進んでいき冒険が本格化していくようだ。トトロはもちろんネコバスなども登場し、トトロの世界をたっぷり味わってもらうという狙いがよく伝わってくる。

　もちろんこの“トトロライド”はラミレツ氏の個人的な“願望”をベースに発案されたものであり、ディズニー内の企画案として描かれたものではない。しかし「Kotaku」の記事によれば、ラミレツ氏は宮崎駿氏と面識があり、いつかこのような（宮崎アニメをモチーフにした）施設を作るという案を何度も話し合っていたということだ。とすれば、単なるファンの“願望”ではなく実現の可能性もあるということだろうか。

■ディズニーが宮崎アニメにラブコール!?

　一方で、日本に限った話ではあるが、数ある娯楽施設の中でこれまではブッちぎりと言ってよいほど群を抜いた人気を誇っていたディズニーランド（東京ディズニーリゾート）に、こともあろうか昨今陰りが見えはじめてきたといわれている。

　サービス産業生産性協議会の“顧客満足度”調査では、これまでトップの常連だった東京ディズニーリゾートが昨年大きくランクダウンしたのだ。入場料の値上げによる影響や、社会全体の問題である人手不足によるサービスの質の低下などの要因が指摘されているが、そこへ追い討ちをかけるように大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）の好調ぶりが、これまで“一強”だったディズニーランドの牙城を揺るがしている。

　本来はハリウッド映画に特化するはずのユニバーサルスタジオだが、ここUSJではこれまでにも『バイオハザード』や『モンスターハンター』、さらに『ワンピース』や『進撃の巨人』、『ハローキティ』と意外にも思える日本発のタイトルとのコラボで注目を集めている。そして『ドラゴンクエスト』と、『スーパーマリオブラザーズ』などのキャラクターである「マリオ」のアトラクション計画も発表されているなど、今後も話題が尽きない。特にマリオについては、『ハリー・ポッター』エリアと同規模のアトラクションを400億円費やして建設する方針であることが公表されている。

　次々と繰り出されるUSJの新機軸にやはりディズニーランドも危機感を感じているのかもしれない。社内アーティストによる今回の“トトロライド”が、ディズニーが宮崎アニメに急接近していることの現れなのかどうか、今後の動向が気になる。
（文／仲田しんじ）

【参考】
・Kotaku
http://kotaku.com/disney-theme-park-designer-imagines-a-totoro-ride-1771971600

・産経ニュース
http://www.sankei.com/west/news/160305/wst1603050022-n1.html