三池監督&中島かずきのSF歌舞伎! ヤバそうだけど、やっぱり気になる実写映画版『テラフォーマーズ』

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 今回、三池監督と初タッグを組んだのは、『天元突破グレンラガン』や『仮面ライダーフォーゼ』などのSFアニメ&特撮ドラマで知られる脚本家の中島かずき氏。劇団☆新感線の座付き作家でもあり、『阿修羅城の瞳』『髑髏城の七人』といった伝奇ものの舞台は高い評価を得ている。三池監督と化学融合した本作は、SF映画というよりもSF歌舞伎といった趣きがある。伊藤英明はスズメバチ、ケイン・コスギはゴミムシ、加藤雅也はアリに早変わりして、テラフォーマーと激突する。中でも山下智久扮する孤高のキックボクサーはバッタのDNA移植手術を受けているため、変身した姿はほぼ仮面ライダー状態。三池監督が『仮面ライダー』シリーズを撮ったら、『仮面ライダー龍騎』以上の壮絶サバイバルものになりそうだ。

 荒涼とした火星の原野を舞台(ロケ地はアイスランド)に、どちらかが絶滅するまで戦い続ける火星探査船バグズ2号の乗組員とテラフォーマーたち。やがて極限状態の中でクズ人間だったバグズ2号の乗組員たちの間に同士愛が芽生え、さらに人間とテラフォーマーたちとの間にもお互いを戦士として認め合う気配が生まれていく。そして、三池崇史ファンとしては見逃せないクライマックスが待っている。三池作品ではイモ虫を思わせるキャラクターが度々登場してきた。『十三人の刺客たち』ではそれこそ手足のない“だるま女”が、『悪の教典』では染谷将太がスマキ状態のイモ虫人間にされてしまった。人間社会に適用するべく発達してきた手足をはじめとする機能を失ったイモ虫人間は、次々と量産化されていく三池作品の中でじっと羽化するチャンスを狙っていた。そのイモ虫が今回はついに羽化して、スクリーン上に変身した姿を現わす。本能の赴くままに成虫化したイモ虫は、あまりに美しく、そして妖しい。まるで“胡蝶の夢”を見ているかのようだ。

 地球というスケールに収まり切れず、宇宙で花開いた三池ワールド。三池作品の信者たちは、三池流進化論の行く末をその目で確かめなくてはならない。
(文=長野辰次)

『テラフォーマーズ』
原作/貴家悠、橘賢一 脚本/中島かずき 監督/三池崇史 出演/伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、ケイン・コスギ、菊地凛子、加藤雅也、小池栄子、篠田麻里子、滝藤賢一、太田莉菜、福島リラ、小栗旬 配給/ワーナー・ブラザーズ映画 4月29日(金)より全国ロードショー 
(c)貴家悠、橘賢一/集英社 2016映画「テレフォーマーズ」製作委員会
http://wwws.warnerbros.co.jp/terraformars

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