三池監督&中島かずきのSF歌舞伎! ヤバそうだけど、やっぱり気になる実写映画版『テラフォーマーズ』

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 人間大に進化を遂げた昆虫と人類との壮絶な殲滅戦を描いた人気コミック『テラフォーマーズ』が実写映画化された。『海猿』シリーズの伊藤英明、『あしたのジョー』の山下智久、ハリウッドで活躍するアクション俳優ケイン・コスギら主演級の男優たちが探査ロケットに乗り込み、火星で異常繁殖した昆虫“テラフォーマー”の大群を相手に血と体液を吹き出しながら肉弾戦を繰り広げる。また、武井咲、菊地凛子、小池栄子、篠田麻里子ら女優陣のバストを強調した宇宙服もいい感じだ。日本での映画化は無謀と思われていたこの壮大なスケールの映画化企画に挑んだのは、これまで『ヤッターマン』『クローズZERO』などアニメ作品やヤンキー系コミックの実写化作品をヒットさせた三池崇史監督である。

『オーディション』『殺し屋1』といったバイオレンス作品で世界に名を轟かせた後も、尋常ならざるハイペースで作品を撮り続けている三池監督。アクション、ホラー、時代劇などジャンルを問わずに活躍しているが、膨大な数に及ぶ三池作品はあるひとつの人生哲学で貫かれていることに気づかされる。それは三池ワールドは勧善懲悪の二元論の世界ではなく、強いものが生き残る弱肉強食な野生の王国だということだ。言い換えれば、三池作品では主人公が生き残るのではなく、最後まで生き残ったヤツが最強であり、歴史(ドラマ)を物語ることができるというスタンスとなっている。

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 火星で驚異的に進化した昆虫と、地球では虫ケラ扱いされてきたクズ人間たちが生き残りを賭けて戦うという原作のストーリーラインは、Vシネマ業界をサバイバルしてきた三池監督を大いに魅了した。過酷な環境に適応して進化を遂げた昆虫=テラフォーマーこそ、進化論上の最強のサバイバーだ。映画では2m大のテラフォーマーをCG合成&モーションキャプチャーで表現しているが、このモーションキャプシャーのアクターを務めたのが三池監督。学生時代はラグビー選手として鳴らし、監督になってからも真樹日佐夫氏の空手道場に通った武闘派。三池組のアクションシーンでは三池監督がまずキレッキレなお手本を見せることでも知られているが、本作ではモーションキャプチャー用スーツを着た三池監督がどれだけテラフォーマーに思い入れを込めているかがうかがえる。

 三池監督を『悪の教典』の公開時にインタビューした際、「主人公のハスミンは共感能力のないサイコパスだけれども、もしかしたら織田信長みたいな歴史上の英雄たちもハスミンと同じようなタイプの人間だったのかもしれない。そういった少数派の人間こそが、新しい時代を作っていくのではないか」と語ってくれた。伊藤英明が主演した『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』も『悪の教典』も、山田孝之や小栗旬がブレイクを果たした『クローズZERO』も、武井咲が歌い踊る『愛と誠』も、どれも三池監督から見れば進化していく過程で自然淘汰されていく人類というひとつの種の長い長い物語の一瞬の出来事に過ぎない。三池監督の頭の中は、まるでブラックホールのように底がない。

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