「プリキュアのCGダンスはマエケンさんのおかげで生まれ、育ちました」……振付師・前田健と『プリキュア』の深い関係
2016.04.27
26日未明、虚血性心不全で急逝したタレント・前田健さん。前田さんといえば、“あやや”こと松浦亜弥のモノマネ芸が有名だが、AAAや腐男塾といったアーティストのダンスを手がけた振付師としての活躍もめざましく、中でも人気アニメシリーズ『プリキュア』においては、のちにシリーズの名物となった“エンディングダンス”の立役者として評価されていた。
前田さんが『プリキュア』シリーズにはじめて携わったのは2009年~10年放送の『フレッシュプリキュア!』。シリーズ6作目となる本作は、幅広い年齢層に楽しんでもらえるよう、ストーリー性が重視され、またそれまでの『プリキュア』スタッフ、さらには世界観も一新された。まさに“フレッシュ”というタイトルとおり、シリーズに新風を吹き込んだ意欲作だった。
そんな『フレッシュプリキュア!』のコンセプトのひとつにあったのが“ダンス”。前田さんは、主人公・桃園ラブ(キュアピーチ)らのダンスユニット「クローバー」のコレオグラファーおよびダンス監修を担当し、またラブたちにアドバイスを送る存在である「カオルちゃん」役として声優も務めた。
前田さんはそれだけでなく、『フレッシュプリキュア!』でシリーズ初となる“3DCGアニメーション”のエンディング映像でもダンス振付を担当。3DCGでキャラクターを踊らせるのは今となってはさまざまな作品で見られるようになった手法だが、その当時は珍しく、3DCG化されたプリキュアたちがかわいらしく踊る姿は業界内界に衝撃を与え、ネット上ではそのクオリティの高さから「東映の本気」などとも評された。
前田さんが振りつけたプリキュアたちのダンスはキャラクターのかわいさが引き立つことはもちろん、子どもが覚えやすいキャッチーな振付も好評で、前田さんはその後も『ハートキャッチプリキュア!』『スイートプリキュア♪』『スマイルプリキュア!』のエンディングダンスの振付を担当し、すっかり『プリキュア』の振付師としてファンに親しまれていた。