これまでも、そうしたトラブルの相談に数多く対応してきた出版ネッツだが、純粋に納品したのに原稿料が支払われないという、教科書的なトラブルのほうが少ないと北氏は語る。
「企画書に使用するイラストを発注したが、企画が通らなかったので支払わないだとか、作品の方向性をめぐって編集者と揉めているというものもあったりします」(同)
出版ネッツは、出版業界の労働組合によって組織される出版労連に加盟。通常の雇用関係とは異なる、出版業界のフリーランスの労働問題を解決することのできる数少ない窓口だ。
オタク業界でも、3月にオープンしたばかりの小説投稿サイト「カクヨム」に作家が「独占契約したけど本が出ない」と出版社を非難する投稿をしたのが注目されたり、出版社と作家とのトラブルは、年に何度も注目を浴びる。
ネットを利用して溜飲を下げるよりも、より現実的な解決を目指したいと思うなら、相談してみてはいかがだろうが。
なお、労働組合=左翼のイメージでハードルの高さを感じる人もいると思うのだが、筆者も出版ネッツに加盟している立場からすると、毎月送られてくる機関紙に集会案内のチラシが同封されている以外には勧誘も動員もまったくないので安心(?)だ。
(文=ルポライター/昼間たかし)
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