エキストラ2万人!ミリオタじゃなくても歓喜する『ワーテルロー』がついにDVD化

1604_waterloo『ワーテルロー』(復刻シネマライブラリー)

 地平線の果てまでCGじゃない! 長らくDVD化が期待されていた伝説の名作『ワーテルロー』が、ついにDVD化された。

 1970年に制作されたこの作品は、日本では過去にVHSが発売されたきり、まったくDVD化される様子もなかった作品。ゆえに、どうしても観たければ中古VHSを高額で手に入れるか、海外版DVDを購入する以外になかった。

 ロッド・スタイガー、クリストファー・プラマー、さらにはオーソン・ウェルズと、キャストが超豪華なこの作品。その最大の魅力は、CGを使うことなく広大な戦場を描いていることにほからならない。

 この映画制作のためにイタリアの映画プロデューサー・ディノ・デ・ラウレンティスが交渉したのは、ソ連のモスフィルム。『戦争と平和』(こちらも、戦場シーンが大迫力の作品)のセルゲイ・ボンダルチュクを監督に据えて、ソ連軍から2万人あまりの兵士をエキストラとして借り、撮影されたのである。しかも、メインの舞台であるワーテルローの戦場は、実際に丘を造成して木を植えたというから、スケールが違う。

 何より、実際の兵士をエキストラに使ったことで動きのキレが違う。画面のハジまで英仏両軍の兵士が、ちゃんと整列して移動できているのである。この「整列して移動」というのは、かなり困難なこと。川中島の戦いを描いた1990年の映画『天と地と』は、カナダで合戦シーンを撮影した迫力の映画だが、現地で集めたエキストラがイマイチだったのか、そこかしこにだらけた動きをしている雑兵がいるのが気になってしようがない……(とはいえ、合戦シーンは何度観ても面白い。念のため)。

 さて『ワーテルロー』という作品の魅力は、戦闘シーンの迫力だけにはとどまらない。2時間あまりの映画の中でナポレオンの退位から百日天下、そして最後の戦場へとストーリー構成もまったく隙がない。ワーテルローに至る過程でも、ウェリントンたちの舞踏会の様子を描いたり、雨に濡れる兵士の姿を描いたりして観客をじらした上で戦闘が開幕するのだ。

 待望のDVD化で、迫力の戦いを幾度も鑑賞できるようになったのだが、残念なのはVHSからの復刻版であること。すなわちデジタルリマスターはされておらず、正直画質はイマイチである。もちろん、荒い画質は名画座で古い映画を鑑賞しているのだと思えば我慢できるけれど、なんだか口惜しい……。

 なお今回、DVD化されたのは133分版だが、当時ソ連で公開された直前のリニーの戦いも描く240分版も存在しているという。相当焦らされるわけだが、この長尺版もぜひみてみたいものだ。
(文=昼間たかし)

ワーテルロー [DVD]

ワーテルロー [DVD]

CGなしとか、今では考えられない…

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