“心の交流”ができる表情豊かなAI会話ロボットが年内にも登場か

■ロボット開発は“人間とは何か”を探る作業

 3月11〜15日の日程で米テキサス州オースティンで開催された、世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW 2016」では、日本のロボット開発の第一人者である大阪大学の石黒浩教授が手がけた「ジェミノイド(Geminoid)」が登場して注目を集めた。このロボットは石黒教授自身にそっくりなのだ。

石黒教授そっくりの「ジェミノイド」 「USA TODAY」より

 相手の言葉を理解して、自律的な会話(autonomous conversation)ができる機能が搭載されたこのジェミノイドは、もともとは人間の“存在感”をロボットで再現するために開発された、遠隔操作型アンドロイドである。そしてその開発意図の通り、初めてこのジェミノイドを初めて見た人の80%は本物の人間と見間違えているのだ。

 Sophiaもジェミノイドも、なんとも人間らしいロボットなのだが、期待されているのは人間型ロボットだけでなない。オープンソースのロボット研究開発を推進するOpen Source Robotics Foundation(OSRF)のCEO、ブライアン・ガーキー氏は、電動車椅子に人工知能を搭載して、障がい者支援や介護に活用する構想を思い描いている。確かにグーグルなどが開発中の自動運転車などのように、車椅子が“スマート化”すれば介護現場の負担もかなり減りそうだ。

 人手不足の業界では、ロボットの活用がますます求められているともいえるが、逆に言えばやはり今後はロボットと人工知能の発達によって人間の仕事がどんどん奪われてしまうのだろうか? しかしガーキー氏によればそのような不安は人間とロボットのコミュケーションが増すことで自ずから解消されるということだ。

「人間がロボットとコミュケーションをはじめることで、ロボットが仕事を奪うとか、経済を破壊するとか、我々を滅亡させるとかいう心配はまったく大げさな話であることがわかると思います」と語るガーキー氏。つまり人とロボットとの間に“信頼関係”を築けるということだ。しかし、人間から悪知恵を吹き込まれて(!?)実験中止に追い込まれたTayのように、人間の側にその気がなければ信頼関係を築きようもないのも確かだろう。ロボット開発とはやはり“人間とか何か”をきわめて露骨な形で問うものにもなりそうだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】

・CNBC
http://www.cnbc.com/2016/03/16/could-you-fall-in-love-with-this-robot.html

・USA Today
http://www.usatoday.com/story/tech/2016/03/13/robots-androids-geminoids-sxsw/81735092/

Robi ジュニア

Robi ジュニア

これくらい、見た目が「ロボット」してる方がホッとする…

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