国内では微妙だった宮崎吾朗アニメが「国際エミー賞」受賞!! 原作に忠実なテンポの悪さが海外で高評価!?

1604_ronja.jpgNHKアニメワールド『山賊の娘ローニャ』より。

 宮崎駿の息子、宮崎吾朗が監督を務めたTVアニメ『山賊の娘ローニャ』(NHK BSプレミアム)が、米国テレビ芸術科学アカデミーが主催する「エミー賞」で、「国際エミー賞」のアニメーション部門最優秀作品賞を受賞した。この快挙に「吾朗やるじゃん」「素晴らしい内容だったし、受賞は当然だな」「これで宮崎駿の息子じゃなくて、『宮崎吾朗』になれるな」と称賛の声が上がる一方で、「あんなので賞を取ったのかよ」「他に良い作品がなかったんだね」「モンドセレクションか?」など皮肉交じりの声も多数上がっている。

 2014年の10月から15年の3月にかけて、全26話の放送が開始された『山賊の娘ローニャ』は、宮崎吾朗にとっては初のTVアニメシリーズ、そして初めてスタジオジブリ以外のスタジオで制作された監督作品だった。原作は1981年にアストリッド・リンドグレーンによって書かれたスウェーデンの児童文学『山賊のむすめローニャ』で、主人公である山賊の娘ローニャの成長をとおして家族の物語を描いている。

 同作品のアニメ化にあたっては、ジブリでは部分的にしか採用されてこなかった3DCGを主に使用し、それに手描きを融合させた、新しいアニメーションの表現に挑戦している。だが、やはりジブリ以外での制作とはいえ宮崎吾朗監督作品ということから、多くのファンはジブリらしい手描きのアニメを無意識に期待していたためか、14年7月に予告映像が公開された時は「CGってマジかよ……」「吾朗見損なったぞ」「ジブリどころか日本のアニメに見えないんだが」といった落胆の声が相次ぎ、海外でも「ジブリがダークサイドに落ちたぞ!」「日本までもがこんなことに……」「これがハヤオ・ミヤザキの息子の作品か? 冗談だろ?」と非難を受けていた。

 そしてこの最悪ムードのまま同年10月に放送が開始されたのだが、「あれ、CGは思ったより気にならないな」「ってかCGのクオリティはなかなか高いぞ」「手描きと組み合わせてるから大丈夫だな、絵だけはな」と、さすがポリゴン・ピクチュアズ、3DCG表現についてはある程度視聴者を満足させることができていた。

 しかし「テンポの悪さが致命的過ぎる」「ああ、このダルさはCGじゃない、物語のたるさだわ」「3話でこれは断念した。退屈過ぎる」と肝心の物語や演出に関しては、批判が噴出。アニメ制作決定~放送開始直前・直後とは打って変わって、メディアは静まり返り、国内では特に話題になることもなくアニメはひっそりと終了した。

 そして放送が終了してから約1年、忘れていたころに届いた、今回の“国際エミー賞受賞”という驚きのニュース。国内ではイマイチだったのに、なぜ海外では評価が高かったのだろうか? 原作はスウェーデンのもので、ストーリーは欧米人に受け入やすいだろう。さらに、台詞をそのまま使うなど原作を尊重して忠実に作ったために、国内ではテンポが悪いとの意見も上がっているが、それが逆に海外では好印象との声も聞こえているので、そこらへんが受賞の要因と考えれば納得はできなくはないが……。

 4月からは『山賊の娘ローニャ』が地上波で再放送されるので、どこが海外でウケたのか考えながら視聴してみるのも面白いかもしれない。そして日本人としてはこのアニメを見ながら、いつかまた宮崎吾朗監督作品が制作されることを期待しよう。

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