児童との間の“絆”を育んで学習効果を高める個別学習ロボットが登場!

■Tegaは教師ではなく共に学ぶ“学友ロボット”

 開発の過程では、実際に児童に使用させる使用試験も行なわれている。3歳から5歳の児童38人に、このTegaを使ったスペイン語学習を毎日15分、8週間にわたって行なってもらったのだ。

 Tegaの特徴である生徒の表情から感情を読み取る能力は、基本的にはその同じ感情を生徒に伝えるようにプログラムされていた。たとえば児童が興奮していると感じ取ればTegaも興奮を表現し、生徒が気が散っていること認識すれば、Tegaも気が散っているそぶりをみせるのだ。

 しかしこの“使用試験”を続けているうちに、それまで子どもたちにとって“教師”であったTegaが共に一緒に勉強する“学友”に変化したという。どうやら、Tegaは子どもたちに勉強を教えているうちに、感情表現がどのように子どもたちの信頼感や楽しさに影響を与えているのかを理解し、単純なオウム返しの反応から、より学習効果を高める反応へと修正しているらしいのだ。この修正によってTegaと児童の関係は、子弟関係から学友関係へと変化したという。そしてTegaにこのような修正が働いたことにより、児童との間の“絆”が強まったのだ。

「Tegaと“学友”の関係になって学ぶことは、学童の技能や知識の習得だけでなく、課題への好奇心や諦めない心を養成するためにも重要な効果があるのです」と情報サイト「Gizmag」で語るのは、開発チームのディレクター、シンシア・ブレイジール教授だ。

「我々を魅了しているのは、“学友”関係を結んで一緒に学ぶことのめざましい学習効果が、次世代の教育方法に大きな可能性を生み出したことです。単に外国語学習でボキャブラリーを増やすという認知的側面のみならず、ソーシャルで情緒的な学びにも生かされるのです」(シンシア・ブレイジール教授)

 つまり、学習ロボットの開発によって新たな教育手法の可能性も示唆されることになったのである。教室で1人の教師が学生たちに対して一方的に教えを説くというスタイルの授業は、IT技術が発達した今日、そろそろ時代遅れになってきたということだろうか。画期的な“学友ロボット”になるかもしれないTegaの今後の動向に注目したい。
(文/仲田しんじ)

【参考】

・Gizmag
http://www.gizmag.com/educational-robot-tega-emotions/42462/

Robi ジュニア

Robi ジュニア

ロボットがそばにいるのが、当たり前の時代になっていくのかな。

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