「御朱印帳」を売るヤツまで出現! 相次ぐ聖地の神社の頒布品“転売”は問答無用でダメ!!

2016.04.07

「神田明神×ラブライブ! コラボレーション特設サイト」より。

 アニメの聖地巡礼が当たり前になった昨今。全国のどこに行っても聖地巡礼のファンに出会うし、さまざまなグッズが販売されている。

 だが、それは予想だにしなかった問題も引き起こしている。

『ラブライブ!』の聖地として、境内には登場するヒロインたちをあしらった掲示物も馴染むようになった神田明神。この神社では、作品とコラボした絵馬やお守りも頒布。新たな絵馬やお守りの頒布初日には、大勢のファンが駆けつけるのも当たり前だ。

 ところが、神田明神とともにさまざまなコラボアイテムを展開している企業・エクスアーツジャパンのTwitterでは、定期的に次のようなツイートを行っている。

<神田明神コラボ「絵馬」「御守」に関しましては、公式通販サイトを含め、すべての通販で取扱いをしておりません。神田明神境内にて、神主さんや巫女さんから手渡しされるものだけが正規品となりますので、不正流通品にご注意ください。>

 試しに「ヤフオク!」で検索してみて驚いた。単なるコラボアイテムならともかく、神田明神が頒布している絵馬や御守といった授与品が、いくつも出品されているのである。

 商品説明を見ると「使用状況:中古」などと書かれ、中には神田明神で絵馬や御守を頂いた時に頒布品を入れる袋と一緒に撮影した写真をアップしている出品者もいる。

 この現象は、神田明神だけに限ったものではない。最近は『刀剣乱舞』の聖地として、大勢の女性ファンが集まる京都の粟田神社。

 ここは、三条宗近のゆかりの地として知られる神社で、末社の鍛冶神社は三条宗近を祀っていることで、特に参拝客を集めている。

 そんな神社の御朱印帳が、朱印を頂いた状態で8,000円で出品されているのである。

 もう、値段の問題ではない。確かに、最近ではお詣りができない人のために授与品を送付する神社もあることはある。とはいえ、本来であれば万難を排して、お詣りすることで初めて御利益のあるものだ。

 また、御朱印帳は、もともとは寺社に納経する際に頂く朱印から、納経の部分が簡略化されたもの。すなわち、自分がお詣りしたことの証明である。

 前述のエクスアーツジャパンの友岡康祐氏は、「ヤフオク!」に出品が相次ぐ状況に困惑気味だ。

「神社の頒布品は、『ヤフオク!』で落札するような性質のものではありません。そもそも神社も儲けるために絵馬や御守を頒布しているわけじゃないんですから」

 どんな理屈をつけようとも、「ヤフオク!」で売買した絵馬や御守で御利益が得られるとは思えない。むしろ、バチがあたるという恐怖は感じないのだろうか。

 確かに遠くてなかなか聖地巡礼が困難など、さまざまな事情があるだろう。けれども万難を排して参拝すれば、必ず御利益はあるもの。神様に頂いたものを売るとか買うとかは、もってのほかだ!
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

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