TVアニメや実写映画も好評な『僕だけがいない街』をはじめ、過去の大賞受賞作家が描く『BLUE GIANT』『東京タラレバ娘』などもノミネートされ、どれがトップを獲ってもおかしくない激戦だった。ちなみに歴代受賞者は第1回の石塚真一氏を除きすべて女性作家が占めており、今回ひさしぶりに男性作家が大賞へ返り咲いた。
その大賞受賞者・野田サトル氏が、プレゼンターである東村アキコ氏(前年受賞者)によって壇上に招かれ、プライズの授与と質疑応答が行われた。渡されたプライズは恒例通り選考委員によるお手製のもので、「ヒンナ!ヒンナ!」「オソマうめー!!」など、『ゴールデンカムイ』読者ならは、おなじみのコメントが付いている。しかも各コメントには「マンガ大賞」の文字をバラした断片が埋め込まれているが、これは作中で重要な役割をもつ刺青人皮(イレズミニンピ)がモチーフだという。とことん『ゴールデンカムイ』への愛情が伝わってくるプライズとなっていた。
野田氏ご本人は撮影NGのためここに掲載できないが、黒のスーツと帽子に身を包んだ典雅ないでたち。表情も物腰もおだやかな一方、スーツ越しにも肉の盛り上がりがはっきり分かるガチムチ体型だった。スポーツや格闘技の経験はないそうだが、立派な体格とあごひげのせいで、マンガ家らしからぬ非常にワイルドな印象を受ける。作中キャラクターでは、5巻から登場しているキロランケが最も近い風貌かもしれない。
そんな野田氏は、選考委員と取材陣からの質問に答える形で、『ゴールデンカムイ』執筆のさまざまな裏話を明かしてくれた。交代で質疑応答をした担当編集者・大熊八甲氏の発言もあわせ、驚きの事実が明らかになった。
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