『にょたいか王子と勃たされ姫』(RAYMON) タイトルに偽りあり! 

 最近は女体化ものも頻繁に出しているメディアックス。マニアックな嗜好だけに、読者はクオリティを重視しているに違いない。そうした中で、このジャンルに挑戦し続けているということは、それなりに評価を受けているということなんだろう。

 そんな中、今月出版されたのは、RAYMON『にょたいか王子と勃たされ姫』。収録されている作品は全9本。絵のクオリティは高く、興奮できる作品集であることは間違いない。

 でも、ジャケ買いしたら違和感が半端ない一冊であろうことも間違いない。

 何しろ、タイトルに「にょたいか」と記しているというのに、女体化を満喫することができないからだ。作者は女体化も描く一方でふたなり作品も多く手がけているという。ゆえに、ふたなり作品も混じっていて、女体化を楽しもうとして購入したはずなのに、ふたなり作品まで読まされてしまうのだ。

 いやいや、女体化ものでふたなり作品が混じるのは、フツーにあることで、まだ気にならない。もっとも問題なのは、わずか1本とはいえ、フツーにヒロインが登場するフツーのエロマンガが混じっていることなのだ。

 これは、いただけない。

 読者は、あくまで女体化をメインで収録しているであろうと思って購入しているわけである。ゆえに、実用を兼ねた読書にあたっては、脳が女体化ものに対応しているはず。そこにフツーにヒロインが出てくるエロマンガが混じると興ざめ感が半端ないのだ。

 しかも、収録順が酷い。

 冒頭の収録作「最悪。男湯で俺が女のコになっちゃうなんて」は、修学旅行中に内気なメガネ男子が女湯で突然女体化。しかもクラスメイトに輪姦された挙げ句に、チョイ悪な友人とラブになっちゃう、なかなか読ませる作品である。

 この盛り上がりを見せて、次はどんな作品が~と思ったら、夏の田舎で都会から戻ってきたお姉さんとエッチな思い出をつくる「夏の秘め事」を収録。なんで、いきなり女が出てくるんだよ! 女体化のストックが少ないにしても、最低ふたなりものにしろよ!

 いきなり、フツーのエロマンガが登場してしまうので、興ざめ感は半端ない。その次に収録された「働きアリの理論」は、SF要素もある優れたストーリーの女体化作品なのだが、もはや興奮できなくなってしまった。

 こうなると、その後に収録しているふたなり作品に対しても、なんでタイトルに「にょたいか」と書いているのにふたなりを収録しているんだよ! と怒りすら湧いてくるのである。

 後書きで作者は各作品の解説を記し「夏の秘め事」については「いきなり女体化作品でなくてすみません」と記している。いや、気づいているなら巻末に回せよ……。

 やはり実用を前提にしているエロマンガ単行本においても、編集は重要。もしも編集者が、この順番で読者は満足できると考えているのだったら、大間違いだ。もっと読者目線に立って、編集をしたほうがいいよ。ホントに興奮よりも怒りが残った珍しい一冊でありました。
(文=ピーラー・ホラ)

※画像の処理は編集部によるもの

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